ニューヨーク州東部地区連邦検事局は31日、ロシアへの制裁を回避し、1,000万ドル(約15億円)相当の半導体や集積回路などを違法に密輸した疑いで、ニューヨーク市の住民ら3人を起訴したと発表した

密輸や制裁違反、電信詐欺などの罪で起訴されたのは、ブルックリン在住で、ロシア国籍とタジキスタン国籍を持つサリムジョン・ナシリディノブ(52)と、モントリオール在住のロシア系カナダ人ニコライ・ゴルツェフ(37)、クリスティーナ・プジレワ(32)。

3人は、1年間にわたりブルックリンにあるフロント企業2社を通じて、米国の製造会社からロシアに対する規制品目を1,000万ドル分調達。300回以上に分けて、ロシアに送り届けていた。

押収された半導体や集積回路(DOJ)

検察によると、ゴルツェフ被告は”米国から特定の製品を入手するロシアの国防および技術部門のエンドユーザー”から注文を受け、米国の製造業者や販売業者から製品を購入していたという。それらはトルコや香港、インド、中国、アラブ首長国連邦などの仲介業者を経由して、ロシアへと届けられた。

3人が調達した製品と同じ型やモデル、部品番号がついた電子部品や集積回路は、ウクライナで回収されたロシア軍のミサイルやヘリ、ドローン、戦闘車両、機密情報機器などから発見されているという。

連邦検事は、被告らは輸送した製品が、ロシアで軍用に利用される可能性を知っていたと主張している。