医療費の過剰な負担を防ぐ上で、薬剤師が過剰で、薬のコストが大きいことも問題です。2022年7月21日の記事の再掲です。
薬学部なんかいらない。6年は長すぎる。ほとんどの薬剤師は薬を袋詰めしているだけだから、免許もいらない。資格認定で十分。 維新がそういう抜本的な規制改革を提案すれば、社会保険料の負担に苦しむサラリーマンの支持が集まると思う。 VCNKlidlRr
— 池田信夫 (@ikedanob) July 20, 2022
このツイートが炎上して500万インプレッションを超えたが、私は薬剤師が不要だといっているわけではない。処方箋の通り薬を出すのに職業免許は必要なく、薬学部で6年も勉強する必要はない。専門学校で2年ぐらい勉強して資格認定すれば十分だといっているのだ。免許をもつ薬剤師ともたない薬剤師のどっちを選ぶかは、患者にまかせればいい。
Amazon.comでは、アメリカの薬も日本から買うことができる。医師の処方する処方薬は日本からは買えないが、アメリカ国内では処方箋をEメールで見せれば買える。免許と資格認定の違いはこども版でも書いたが、特定の業者に業務独占を認めるのが免許で、認めないのが資格認定である。
これは医薬分業という医療制度の問題にかかわる。昔は「薬漬け医療」が問題になり、医薬分業でそれに歯止めをかけようとして調剤技術料を上げたため、処方薬を扱う調剤薬局が激増した。全国の薬局は、コンビニより多い6万店。その医療費は病院を上回る。
薬剤師は約32万人で、人口あたり世界一だ。大衆薬の市場は毎年1.1兆円だが、調剤医療費は7.5兆円で、国民医療費43.4兆円の17%を占める。薬学部を6年生にしたりして参入障壁を高くしているが、楽でもうかる薬剤師は増える一方だ。
このため文部科学省は薬学部の新設を2025年以降は認めないというが、これは本末転倒である。薬剤師の免許なしで薬を売れるようにすれば、調剤薬局はこれ以上増えない。コンビニなどとの競争が起こるからだ。