今回の事件は、不可解な点が多々あります。

通常、予算委員会の最中にこんなことを敢えてやるのは考えられません。

あと一日待てば終わるわけですから、それから新聞インタビューに答えるなり辞表を出すなり、タイミングは図ることができたはずです。

実際つい先日まで、木村江東区長の辞任に対しても、柿沢未途議員は他人事のようなコメントをSNS上に残していました。

考えられるのは、柿沢未途議員の身に辞職を急がねばならない・保身に走らねばならない「何か」が急遽起きたということでしょう。

特捜の捜査は江東区長だけでなく、実質的に選対本部を仕切っていた柿沢未途氏にも及んでおり、また公選法以外の疑惑も存在すると噂されています。

ただいずれにしても、そうした事情は国会運営には関係なく、職責にある間は出席要求があれば応じて答弁するのは当然の義務です。

加えて、今回の件は岸田総理の任命責任も重大と言わざるを得ません。

先般の山田太郎議員のような事件であれば、岸田総理にとって見れば寝耳に水のアクシデントであると擁護することも可能ですが、江東区長をめぐる公選法違反疑惑と柿沢未途氏の関係性は任命前から政治関係者ならみな知っていたことです。

そんなリスクをかかえる人間を、ましてや法務副大臣に任命したわけですから、岸田総理の先見のなさ・危機管理能力の欠如については厳しく指摘せざるをえません。

柿沢未途議員が辞職となれば、江東区長選挙のあとは衆院補欠選挙まで見えてくることになり、江東区においては混乱が続きます。

一刻も早く混乱が収まり、国会も江東区政も正常化されるよう、双方の当事者である私としても自分ができることに力を尽くす所存です。

まずは明日の予算委員会質疑を頑張ります。柿沢未途氏のおかげで時間が大幅に乱れていますがっ(怒)!

それでは、また明日。

編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2023年10月31日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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