テレビ出演と経営判断
今週、久しぶりに地上波のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」という番組に出演しました。社会保険料についての解説役です。
こういう依頼が一番経営判断として悩みます。
正直、この依頼を受けるかどうかは、最初悩みました。
テレビ出演は、事前の準備も含めて、数日間深夜までものすごく工数を取られます。
しかも今回のテーマは僕が慣れている「ブラック霞が関問題」とは違います。「ブラック霞が関問題」は、何度もいろんなところでしゃべっていて慣れています。また、すべての人が当事者意識を持っているわけでもないテーマです。つまり、視聴者すべてが強い意見を持つようなテーマではない。
これに対して、「社会保険料」は、全員が払っていたり、給付を受けたりしているので、全員にとって身近なものです。強い意見をそれぞれの立場の方が持っています。そして、社会保険自体がかなりマニアックで難しいテーマでもあります。
つまり、テレビで解説するに当たっては、とても難易度の高いテーマです。正直「うまくできるかなあ」とも悩みました。
これまでのテレビ出演の中でも、最も工数をとられることは依頼の時点で容易に想像がつきました。その一方で、報酬はボランティアに近いものです。
ビジネス的に言えば、少なくとも短期的な観点で言えば、最も効率の悪い仕事です。そして、今、会社の仕事と大学の授業で、かなり忙しいです。
しかし、この国の人が安心して暮らせる社会を、どう作り続けていけるか、というのは官僚時代のミッションですし、千正組が今も持ち続けいている自分たちのミッションのど真ん中です。
そして、専門家相手ではなく、テレビの視聴者という一般の方に、分かりやすく伝えるということは、社会保障という制度が役割を果たし続けるための根幹です。
社会保障について僕より詳しい超プロは、日本にたくさんいます。
それなのに、僕に出演依頼が来たということは、この人なら難しい社会保障を、視聴者に分かりやすく伝えてくれるだろうと、番組サイドが思ってくれたということだろうと思います。
僕自身も、超プロともちゃんと話ができるプロであり、かつ、プロでない人たちに分かりやすく伝えられる、そんな存在になりたいと、官僚時代からずっと思って活動してきました。
なので、そういう場を与えられた時に、大変だからとか、儲からないからとかいう理由で、逃げるわけにはいきませんでした。
番組から出演のお話をいただいてから、当日まで、本当に大変でした。改めて、調べたり確認することもありますし、超プロの皆さんにも色々聞きました(それをそのまましゃべるわけではないのですが、間違ったことを言ってしまわないように)。
今回の番組出演からは、ものすごい学びがありましたが、それはまた別の機会に書きたいと思います。
これからもパブリックマインドを持って、株式会社千正組の舵取りをしていきたいと思います。
引き続き、お付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
お読みいただき、ありがとうございました。
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編集部より:この記事は元厚生労働省、千正康裕氏(株式会社千正組代表取締役)のnote 2023年10
月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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