当時としては先進、高品質にして重厚

高級SUV風やGRMNよりやっぱりコッチがいいかも?30年続いた“初代”トヨタ センチュリー【推し車】
(画像=『MOBY』より 引用)

白いセンチュリーというのも、黒とは異なった威厳を感じさせたというか、見ると「黒じゃない!」とギョッとした

2023年現在では保守的に見えるデザインですが、発売当時は外国車に似ておらず、それでいて当時の国産車としてはワイド&ローでとても洗練された伸びやかなデザイン、高い精度で組み立てられたボディ、品質の高い塗装や内外装と、かなり先進的なクルマでした。

メカニズム面でも、リンケージをエンジン上に通してフロントサスのアッパー部から操作する複雑で整備性の悪いステアリング機構(初期型)こそやり過ぎでしたが、フロントのエアサスやシーケンシャル式のリヤ・ターンシグナルランプなどは斬新。

今では当たり前な室内トランクオープナーやエアコン、空気清浄機、パワーウィンドー、オートクルーズ、パワーシートといった先進装備も標準またはオプションで実装され、静粛性や快適性に優れた後席最重視のショーファー・ドリブンカーとして高い評価を受けます。

それらは時代とともにバージョンアップしていきますが、デザイン面でも装備面でも先進性があったために、30年という長いモデルライフの中でも、最後まで陳腐化することはありませんでした。

排気量の拡大やリムジン追加など、時代に合わせた改良も

高級SUV風やGRMNよりやっぱりコッチがいいかも?30年続いた“初代”トヨタ センチュリー【推し車】
(画像=『MOBY』より 引用)

黒以外のセンチュリーは民間の法人向けでは案外多かったようで、この初代後期型(VG40)もそのうちの1台…しかも海外で利用されているが、さすがにキレイに使われている flickr.com Author:GPS 56 CC BY-SA 2.0 もっとも、全てが1967年デビュー当時のままというわけではありません。

当初はオーナードライバー向けも想定した、フロアシフト4速MTで前席がベンチシートではなく左右独立のセパレートシート、タコメーターも標準装備だった「Aタイプ」もありましたが、ショーファードリブンカーに専念するためかごく初期で廃止。

複雑なステアリング機構と、それに接続したダブルトレーリングアーム式フロントサスは通常のステアリング機構とストラットサスへ、リアサスも一般的なものへ改められたうえで、乗り心地などには悪影響を与えないように配慮されています(整備性はむしろ向上)。

クラウンエイトの拡大版だった3リッターV8エンジンも、排ガス規制に対応しながら十分な動力性能を確保すべく、1973年に3.4リッター、1982年に4リッターへと拡大。

モデル後半も半ばを過ぎた1989年にはホイールベースを延長して室内長を650mm拡大、後席ドアを前後に150mm拡大し、前後席間へ電動パーティションを備えたリムジン仕様も追加されました。

デザインも1982年の改良で奥まっていたフロントグリルが前進&大型化するなどフロントマスクの印象が大きく変わり、おそらくこの型(初期のVG20に対しVG40型)で、「センチュリーのイメージ」として記憶している人が多いかもしれません。

1997年には2代目へと変わりますが、細部がスッキリして5リッターV12エンジンになったのみで、「モデルチェンジしてもセンチュリーらしさはそのまま」と、安心したものです。

2018年からの3代目で外観は大きく印象が変わったものの、「初代や2代目のセンチュリーの方が、重厚感があってよかった」と思う人、結構いるのではないでしょうか?

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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