複雑なマスキングをデータ化し、システマチックな工程管理で量産化

転写シートだけではなく、さまざまな素材と緻密なマスキング処理、さらに職人の技術を組み合わせてグラフィックを完成させるのがジャムテックジャパン流。マスキングはPCを使ってヘルメットの曲面にあわせてデザイン。同じ物を作り出し、貼り付ける位置や色を塗り重ねる順番もデザインごとに決まっている。工程の多くが手作業でありながら、順序立ててシステマチックにコントロールされているため、リーズナブルな価格で量産化できるのである。
ここでグラフィックができるまでの作業の流れを紹介しよう。

今回、工程を見せてもらったヘルメットはメッキがベース。まずはシールドを固定するボタンを専用に作った樹脂パーツを被せてマスキングしていく。
内側にはマスキングと同時に、治具に固定するためのカバーを取り付ける。
周囲をマスキングテープで覆っていく。
マスキングはひとつひとつていねいに手作業で行われる。
ひとつのヘルメットに使われるマスキングは膨大な量になる。
位置を決めてひとつずつ正確に位置決めして貼り込んでいく。
細かい所はピンセットも使う。繊細な作業だ。
マスキングが終わったら塗装台にセット。
エアガンのカップに塗料を入れる。
メッキの上からレッドの塗料を吹いていく。
薄く何度も吹き付けて色をのせていく。
マスキングとの境界線を中心にブラックでシャドウを入れる。ここはフリーハンドなので、ひとつひとつ異なる仕上げになる。
ある程度乾いたところでマスキングを剥がしていくのだが、そのタイミングも難しいのだという。
十字架の黒い線の部分にはカッティングシートも使用している。
ある程度マスキングを剥がしたら再び赤をスプレー。
塗り重ねていくことで色に深みが出る。
最後までマスキングしていた文字やラインの部分はベースのメッキが残っている。
ここで一度クリアーを吹いてツヤを均一化。
乾燥室に入れて塗料を硬化させる。
硬化した塗装面を紙ヤスリで磨き、段差をなめらかにしていく。
仕上げのクリアーをスプレー。ツヤが出るのと同時に手触りも良くなる。
完全乾燥後に縁ゴムを取り付ける。
インナーのパッドを取り付け、タグを付ければ完成となる。
チークパッドなどの内装はサイズが数種類あるため交換して調整することができる。ジャムテックジャパンで購入する場合はその場で調整してもらうことも可能。