女性として異常に高いレベルの権威を持っていた
こうして一部の専門家は、以前に発見された統治者のリストやその他の手がかりに基づいて、メレト・ネスが男性の王に与えられていたのと同じ権限を持っていたと確信している。
しかし詳細は依然として謎のままであると、今回の発掘調査を主導したオーストリアのウィーン大学の考古学者でエジプト学の教授であるクリスティアナ・ケーラー氏は言及している。
「証拠が完全に決定的ではないため、エジプト学者の間では多くの議論が行われています」とケーラー氏は電子メールで「Live Science」に語る。
「王朝初期の女王でこれほど多くの王室特権を持っていた女王は他にいなかった」と、今回の発掘には関与していないフランス・ソルボンヌ大学のエジプト学者ジャン・ピエール・パツニック氏はかつて「第7回欧州エジプト学者会議議事録」の中で述べている。
歴史的事実として古代エジプトでは、特にその初期には女性が統治することはほとんどなかったこと挙げ、メレト・ネスが女王であった可能性を疑問視する見解も少なくない。
スコットランド国立博物館の古代地中海コレクションの主任学芸員であるマーガレット・メイトランド氏は「妻や娘は王位継承の観点から通常考慮されていない」と電子メールで「Live Science」に回答した。
それにもかかわらず、今回の調査で得られた新たな証拠はメレト・ネスが「王室の女性としては異常に高いレベルの権威」を持っていたことを示唆しているとメイトランド氏は認めている。

サウスカロライナ州クレムソン大学歴史学の名誉教授、エリザベス・カーニー氏も同意し「第一王朝の早い段階で女性の王がいたら、それは本当に驚くべきことだろう」とコメントしている。
こうした数々の指摘があるものの、メレト・ネスの地位と影響力に関する疑問は「進行中の研究の核心」であるとケーラー氏は説明し「この巨大な複合施設の発掘が完了すれば、さらに多くのことが分かるとほぼ確信しています」と今後のビジョンを語っている。
ちなみにメレト・ネスという名前は「女神ニースの最愛の人」を意味しているという。はたして5000年前の初期のエジプト王朝に絶大な権力をもつ“女王”が君臨していたのだろうか。
提供元・TOCANA
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