近年人気上昇中のタイラバ。基本的な釣り方は底を取って巻くだけなので簡単なうえ、繊細な釣趣ではないためロッドの値段で釣果に大きな差が出にくく、初心者にもチャレンジしやすい釣りです。今回はそんなタイラバのロッド選びについて解説。エントリーモデルを中心におすすめのロッドを紹介していきます。

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タイラバロッドのおすすめ7選 初めて買うならエントリーモデルで問題なし? 

タイラバロッドの特徴

「タイラバ」はシンカー(オモリ)にひらひらとしたスカート・ネクタイが付いたルアーで、そのタイラバを使用してマダイを中心とした様々な魚を狙う釣り自体の名称でもあります。タイラバの釣り方は基本的には底を取って巻くだけ。初心者にも非常にチャレンジしやすいのが魅力です。

そんなタイラバに使うロッドは、タイラバ専用に作られたロッドを使うことが望ましいです。専用ロッドの特徴の一つは食い込みの良さがあげられます。タイラバのアタリは巻き上げてくる際に、ルアーに追従するようにコツコツと出ることが多く、食い込むまで巻き続けるアワセ方が基本。このときに全体的に硬いロッドを使っていると違和感を与えて追うのを止めてしまうので、食い込みの良いティップや調子を採用しているロッドが最適です。

タイラバロッドのおすすめ7選 初めて買うならエントリーモデルで問題なし? 巻きアワセが基本なので食い込みのいいロッドが向く(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

また、大型マダイの強い引きに対抗できるバッドパワーや、タイラバが底についた際にすぐに巻きはじめないとルアーであることを見切られてしまうので、着底が分かる感度などもロッドに求められます。

それ以外では、タイラバを一定スピードで巻いくることもアタリを引き出すのに大事なので、安定した姿勢で巻けるグリップやロッドエンド部分なども意外と重要。このあたりのポイントを考慮して製作されている専用ロッドを使うことで釣果UPが望めます。

タイラバロッドのおすすめ7選 初めて買うならエントリーモデルで問題なし? グリップやロッドエンドなども意外と重要(提供:TSURINEWSWEBライターいわさきひろみ)

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タイラバロッドを選ぶ際のポイント

タイラバ専用ロッドを選ぶ際には、硬さや調子、ベイト用、スピニング用、価格帯など選ぶポイントがいくつかあります。ロッドの選び方を解説していきましょう。

ベイトとスピニング

タイラバロッドにはベイトとスピニングの2つのタイプがあります。頻繁に底を取り直すタイラバでは、クラッチ操作で糸の出し入れがしやすいベイトリールを使用したベイトロッドモデルを使うのが一般的です。

一方、スピニングリールを使用するスピニングロッドは、夏の浅場や潮止まりで船が流れない状況など、キャストして広範囲に探ったほうが釣りやすい場面で有効です。しかし活躍する場面は限られるので、初心者の最初の一本であればベイトロッドを購入することをおすすめします。

タイラバロッドのおすすめ7選 初めて買うならエントリーモデルで問題なし? ベイトリールが基本となる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

タイラバロッドの硬さ

タイラバロッドの硬さの表記はメーカーによっても変わってきますが、L~XHクラスなど幅広い硬さがあります。

ロッドの硬さで変わってくる大きな要素は、どの程度重いタイラバを扱えるかどうか。使うタイラバの重さは海域の水深や潮の速さ、船の流し方などによって変わってきます。

軽いタイラバに硬いロッドや、重いタイラバに柔らかいロッドを組み合わせるなどバランスがとれていないと、上手くタイラバが潮を噛まずにラバー部分が動かなかったり、魚が食いついたときに違和感を与えるなどのデメリットも。まずは自分が行く予定の船宿が何グラムのタイラバを使っているのか調べて、それに合う硬さのロッドを選ぶといいでしょう

ロッドの硬さの基準としては、一般的にはバーチカル(縦)に巻いてくる釣りの場合、タイラバの重さは100g前後を中心に使い分けます。その場合は適合ルアーウェイトがMAX120~150gの、ML~MHクラスなどのロッドが幅広く使いやすい番手です。

潮が速い海域や、100m近い深場を狙うエリア、ドテラ流し(潮の流れに任せて船を流す方法)も使う船宿など、潮の抵抗を受けやすい状況が多いエリアが主戦場の場合、重いタイラバを扱える必要があるので、適合ルアーウェイトMAXが200g以上のモデルも検討するといいでしょう。

タイラバロッドのおすすめ7選 初めて買うならエントリーモデルで問題なし? 使用するタイラバの重さも考慮してロッドを選ぼう(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

タイラバロッドの調子

タイラバロッドの調子は胴まで曲がる「乗せ調子」のロッドと、先調子気味の「掛け調子」のロッドがあります。先述した基本的な巻きアワセの釣りであれば、「乗せ調子」のロッドが最適です。掛かってからバラしにくいのもメリットで、タイラバでは広く使われている調子となります。

先調子気味の「掛け調子」のタイラバロッドは、アタリを合わせて掛けに行くスタイルに向いた調子です。フォールでのアタリが捉えやすいのもメリットで、操作性が求められるキャスティングタイラバにも適しています。

掛けアワセの釣りは少々テクニカルなこともあり、初心者の場合はどちらかといえば基本となる「乗せ」の釣りから覚えてみることをオススメしますが、合わせて掛けにいく釣りが好きな人は掛け調子のロッドも考慮してみるといいでしょう。

タイラバロッドのおすすめ7選 初めて買うならエントリーモデルで問題なし? 硬さから調子まで多種多彩なタイラバロッドがある(提供:TSURINEWSライターK. OKADA)

タイラバロッドのティップ

タイラバロッドのティップは食い込みをよくするために、柔らかいソリッドティップが使われていることが多いです。反発力のあるチューブラーティップも、操作性が必要なキャスティングタイラバ用のロッドや、感度重視の掛け調子のロッドなど一部に採用されています。

また、柔らかさがありつつ手元に伝わる感度も非常に高いチタン素材のティップが採用されているハイエンドモデルも存在します。

タイラバロッドの長さ

長さについては6ft後半が主流で、取り回しを考慮したキャスティング向きのロッドを除いて、ショートとロングで細分化されているようなアイテムは少ないです。そこまでこだわる必要のない要素と言えるでしょう。

ハイエンドとエントリーの違い

タイラバロッドの価格帯はエントリーモデルの1万円以下のものからハイエンドモデルの5万円前後のものまでピンキリ。ただ、基本の「乗せ」のタイラバは、細かいアタリを捉えて合わせるというような繊細な釣趣ではないため、比較的使うロッドで釣果に差が付きづらい釣りだと思います。

それでも、高いものはハイスペックな素材を使うため、軽さや操作性、手に伝わる感度など使い心地の面では大きく変わってきます。このあたりはお財布と相談して決めてみましょう。

また、「掛け」の釣りのロッドはアタリを捉える釣趣なので、中~高価格帯の高感度なロッドの恩恵は大きくなります。そもそも「掛け調子」のロッドは安価なモデルが少ないということもあり、入門にも多少お金がかかってきます。