その中には重鎮的な企業経営者もいる。更に、ミレイ氏のアルゼンチンの慢性病であるインフレから解放されるべく法定通貨ペソを米ドルにすることについても多くの経済専門家や市民の間でそれに不信を抱く者が多くいる。更に、ブルリッチ氏を支持していた急進市民同盟はミレイ氏に票を投じないことを表明している。
このようなことから問題の620万票はミレイ氏に投票する人、カンビエーモスでもマクリ元大統領と対立している派はマサ氏に票を入れる可能性あり、そして投票を棄権する人と3つに分かれることが予想されている。このそれぞれの比率は全く予測がつかない。即ち、620万票がすべてミレイ氏に流れればミレイ氏が勝利することは確実であるが、実際にはそうはならないということである。
シチアレティ氏の170万票の大半はマサ氏の方に流れる可能性が高い。もともとシチアレティ氏も正義党の元議員であったという関係からである。
左派系のブレグマン氏の71万票の多くもマサ氏に票が向かうであろう。
投票と引き換えにお金を配る事件も起きたこのように見て来ると、ミレイ氏とマサ氏の接戦が予想される。
ミレイ氏はブルリッチ氏の620万票がより多くが彼の支持に回るように過激な発言は控えるようにしているようだ。
マサ氏が予備選では3位だったのが、今回はトップとなったのは以下のような理由がある。
ミレイ氏が勝利すれば、彼は財政支出の大幅な削減を実施するとしている。その一環として生活補助金の削減があると貧困者に訴えて、ミレイ氏への恐恐怖心を煽った。 彼は正義党員ではあるが、これまで長期政権を維持したキルチネール派とは異なった政治をしていくと表明。だから、選挙戦中でも現在キルチネール派の親分であるクリスチーナ・フェルナンデス元大統領の名前は演説の中で一切触れないでいた。 それとお金のバラマキである。その具体例として愛称チョコラテと呼ばれている人物が48枚の銀行カードでATMから120万ペソ(52万円)を引き出していたことが判明するという事件があった。引き出した現金をマサ氏に票を投じるのということの引換で現金を有権者に渡していたのである。(9月22日付「ペルフィル」から引用)。決戦投票に向けて正義党の資金バラマキは更に活発になるはずである。一方のミレイ氏は現在の貧困経済に陥ったのはキルチネール派の硬直した政治運営によるものだということをこれからも強調して支持者を拡げて行く方針だ。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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