食用として重宝されている食材、それが「百合根」です。 「百合根」はホクホクとした食感が美味しく、日本の食卓でも度々見かける食材となっています。 ただ、そもそも「百合根」とは何者なのでしょうか?
今回は「百合根」が何の植物の球根・根っこなのか解説します。 併せて、花のユリとの関係についても説明します。
目次
百合根は食用のユリの根
中国と日本で異なる百合根の用い方
まとめ
百合根は食用のユリの根
まずは食用の「百合根」について見ていきましょう。
すべてのユリの根が食用になるわけではない
「百合根」は食用のユリの根とされています。
ユリの根は葉が変形した鱗茎と呼ばれる部分を意味します。 その球根・根っこである鱗茎には無数の養分が貯蔵されており、栄養豊富なことで知られているのだとか。
その鱗茎の中でも食用とされるものが「百合根」と呼ばれます。
ただし、すべてのユリの根が食用とされるわけではありません。 実際には同じユリの根であっても食べられないものがあります。 逆に食べられるユリの根は限られるので注意しておきたいです。
食用になるユリの種類
食用とされるユリの種類はいくつかあります。
代表的なところだとヤマユリやオニユリ、コオニユリなどです。 この鱗茎はホクホクとした食感でほんのりとした甘さや苦さがあることで知られます。
逆に他のユリの根は食べられないので気を付けておきましょう。
ちなみに「百合根」は関東でも食されるものの古くから関西で食されてきた食材の1つとなります。 そのため、関東よりも関西の方がメジャーな食材と言えるかもしれません。
ただ、国内生産量の99%が北海道産なので、その点も覚えておきたいところです。
ユリの根の旬
食用の「百合根」の旬は11月~2月の秋から冬とされます。
日本では収穫期に貯蔵されたものが正月用に出回ります。 かつては野生のものが流通していたのですが、現在ではほとんどが栽培品となるようです。
ちなみに、市場価値のある良品とされるものほど色が白く張りがあるのが特徴です。
中国と日本で異なる百合根の用い方
最後に「百合根」の使用方法について見ていきましょう。 「百合根」の使用方法は中国と日本で変わるので、その点について詳しくまとめます。
中国における百合根
「百合根」を食用としているのは日本だけのように思えます。
しかし、実は中国でも「百合根」を食用としています。 むしろ、中国では古代から食用以外にも使用されてきたとか。
「百合根」はタンパク質やビタミン、カリウムや鉄、食物繊維が豊富です。
その栄養豊富な面から滋養強壮効果も期待されていたのだとか。 それだけでなくコレステロール値を抑制する効果も期待されています。 その他、便秘改善効果も期待できるのだとか。
そのため、かつては漢方薬としても使用されたそうです。 それでいてカロリーはヤマイモやサツマイモ並みです。 野菜としては高エネルギーかつ高炭水化物と言えます。
そういった意味でも「百合根」は優秀な食材と言えるのではないでしょうか。
日本では江戸時代から食用に
日本には江戸時代に入ってから「百合根」が食用とされた歴史があります。
1697年の「農業全書」にも栽培方法や調理方法などが記載されています。
その始まりは北海道に住む和田伊三郎が栽培に取り組んだのがきっかけだったとか。
その後、大正時代に本格的に食用されるようになったとのことです。