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パイナップルの種はなぜ無くなったのか
パイナップルの栽培

パイナップルの種はなぜ無くなったのか

「パイナップルの種」はどこにある?そもそも種のある植物なの?
(画像=『FUNDO』より 引用)

野生種などもありますから、パイナップルには厳密には種が存在しているのですが、近年の食用に用いられるものにまず種があることはありません。
これは品種改良の結果種が無い、もしくは育ちにくいものが育てられているというだけではなく、パイナップルの植物としての遺伝子の特性も関係しています。

農園のパイナップルはクローン
農園で育てられているパイナップルは、実はクローン栽培されている同一品種ばかりです。
そのため、「自家不和合性」という自身との受粉を防ぐ遺伝子性質がはたらくので受粉することはありません。
受粉が行われませんので、受粉することで生成が促される種子が存在することもないのです。

稀に種がある場合がある
しかし、稀に他農園にある他品種のパイナップルの花粉が蜂などによって運ばれることで、たまたま受粉したことで果実に種ができることもあります。
そのレアケースな個体が食卓に上がってきたら、通常は見ることのできないなパイナップルの種を見ることができます。

パイナップルの栽培

「パイナップルの種」はどこにある?そもそも種のある植物なの?
(画像=『FUNDO』より 引用)

種がないと植物は基本的に栽培できないのですが、種のなくなったパイナップルでも栽培する方法はあります。
ここからは簡単になるものの、種のないパイナップルの栽培方法についてご紹介します。

農園での栽培方法
農園では、2つの方法で栽培していることが多いです。

えい芽・吸芽を苗にする
1つ目が果実の下にできる小さな果実のような「えい芽」を乾燥させたものを苗として植える方法。
2つ目ががパイナップルの一番外側にある葉、「吸芽」を乾燥させたものを苗にする方法です。
苗として植えた株からは3~5年の間は果実の収穫ができるので、その間に収穫をすることになります。
しかし、収穫ごとに実が小さくなるため、株を3年以上使うことはあまりありません。
3年から長くても5年経つと新しい苗に植え替える必要があります。

市販の果実からも栽培できる?
パイナップル栽培は通常えい芽・吸芽といった畑でしか見ることのできない部分を用いていますが、なんと市販されているパイナップルの果実から栽培することもできます。
この方法なら家庭でもパイナップルの栽培ができますので、興味が沸いたらぜひ試してみてください。
家庭でもできるその方法とは、パイナップルのヘタ部分を挿し木にして栽培する方法です。
準備するものは3つ、「腐葉土もしくは水苔」と「鉢」、そして「パイナップルのヘタ部分」の下から葉を5枚~6枚ほど取り除いたものです。
あとは簡単、パイナップルのヘタを腐葉土か水苔を入れた鉢に挿すだけでです!
温暖な気候で育つパイナップルなので、寒さには弱いです。
そのため温度管理と水やりには気を付けてください。
また、腐葉土や水苔を使わなくても、コップなどに水を入れて挿しておくだけでも栽培自体は可能といわれています。
パイナップルが絶対実る、とはいえませんが、成功すれば3年後くらいには自宅でパイナップル栽培に成功するかもしれませんよ!