KFC「オリジナルチキン」には根強い固定ファンも多い

　外食チェーン関係者はいう。

「KFCと比べて圧倒的に店舗数が多いコンビニエンスストアチェーン各社もレジ横でフライドチキンを売っており、ファミリーマートの『ファミチキ』は220円、セブン-イレブンの『ななチキ』は240円と、KFCの『オリジナルチキン』より安い。スーパーでもフライドチキンは3個入りで400円くらいで買える。また、バンズにフライドチキンとチーズ、野菜を挟んだマクドナルドの『チキチー（チキンチーズバーガー）』は220円で、KFCの『オリジナルチキン』の価格に70円足せば『チキンフィレオ』を、90円足せば『すき家』の『牛丼（並盛）』を買うこともできる。サイズや満足感を考えても、1個で300円超えという価格設定は明らかに高いといえる」

　また、別の外食チェーン関係者はいう。

「約1年で主力商品を2割も値上げするというのは、かなり強気。KFCの『オリジナルチキン』には根強い固定ファンも多いので、それくらい値上げしても客離れは起きないとの判断なのだろう。実際にこの1年の月別の全店売上高をみても前年同月を概ね上回っており、売上は落ちていない。昨今の経済環境を受け、外食チェーンの値上げが消費者から受け入れられやすくなっているのは事実だが、それでも『ただの値上げ』が続けば客離れは避けられない。値上げの一方で商品の味や具材などにお客が『嬉しい』と感じる変化が施されたり、企業努力が感じられたりすれば、お客側もある程度、納得感を持つが、逆にそういうことがなければ、長期的に客離れを招く可能性がある」

（文＝Business Journal編集部）

提供元・Business Journal

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