今年の夏に公開され、全世界に旋風を巻き起こした映画「バービー」。
説明するまでもありませんが、バービーとは、アメリカのおもちゃメーカー「マテル社」が長年にわたり販売している着せ替え人形。アメリカ人にとって、日本のリカちゃん人形のような存在です。
バービーは、こうして生まれた
1950年代後半のアメリカ、当時の女の子が遊ぶ人形といえば赤ちゃんの人形ばかりでした。大人の体型をして本物の布でできた洋服を着る人形の生産を考案中だったマテル社の共同創業者の1人であるルース・ハンドラーさんは、家族旅行でヨーロッパを訪れた時に西ドイツ製の人形ビルト・リリを見つけ購入。この人形を参考にバービーの原型を作り上げました。ハンドラーさんのキャラクターは、老女の姿で映画「バービー」の中にも出てきます。
ハンドラーさんは、娘のバーバラちゃんの名前から、人形の名前をバービーと名付けました。バービーのボーイフレンドの名前である"ケン"は、ハンドラーさんの息子さんの名前です。
最初のバービーは、当時は人件費が安かった日本で製造されていたそうです。人形が着ていた洋服も、日本で、手縫いで作られていました。
1959年3月9日にニューヨークで行われた「アメリカン・インターナショナル・トイ・フェア」にバービーが初めて出品されデビューを飾ります。その日がバービーの誕生日となりました。人間だと今年で64歳ということになりますが、人形は歳をとりません。羨ましい限りです。
デビュー当初のバービーは、白と黒のストライプの水着姿で、髪型はポニーテール。現代のバービーとは違い、ツンとすましたセクシーな人形でした。髪の色は、金髪とダークブラウンの2種類がありました。その後、何度かモデルチェンジが繰り返され、セクシーさを抑えて健康的に、金髪のロングヘア、足が細くて長いスタイル抜群のバービーが定番となりました。
定番のバービーは金髪の白人ですが、実社会に合わせた多様化が進められ、肌や目や髪の色、体型、ファッションなど、さまざまなバリエーションのファッショニスタバービーが誕生。ファッショニスタバービーは、子どもたちが触れている現実の世界を反映するようにデザインされたもので、義足や車椅子に乗った人形なども、仲間入りしました。
バービーのプロフィール
バービーの本名は、バーバラ・ミリセント・ロバーツ。お父さんはジョージ、お母さんはマーガレットです。アメリカ、ウィスコンシン州の架空の町「ウィロウズ」の出身。スキッパー、ステイシー、チェルシー(2011年まではケリーという名前でした)という3人の妹がいます。トゥティとトッドという双子の弟と、クリッシーという赤ちゃんの妹がいましたが、いつしか製造中止となりました。
ペットがたくさんいて、犬や猫の他、馬、パンダ、ライオンの子、シマウマなど40匹以上の動物を飼っています。所有する車も、ピンクのビートルからコルベットのオープンカー、トレーラー、ジープなど、すごい数です。また、パイロットの免許も持っていて、旅客機の客室乗務員になることもあれば、操縦することもあります。宇宙飛行士になったり、ナスカーに出場したりと、驚くような経歴の持ち主という設定になっています。