キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
目次
そのまま使える&ちょっとDIYで安く車中泊が快適に
【車中泊に便利な100均グッズ】ダイソー スタッキングできるステンレス二重カップ
そのまま使える&ちょっとDIYで安く車中泊が快適に
今更と思われるかもしれないが、最近の100均ショップ製品の品質の高さには目を見張るものがある。
中でも時流のせいなのかアウトドア用品の充実ぶりが凄い。
専門店で結構な値段で販売されていたのと似たような物が100円(税別)、または高くても1000円以下と、目を疑うような金額で並んでいる。
それだけではなく、アウトドア用品メーカーの真似ではないオリジナルの便利グッズも開発されていて、本当に感心してしまう。
一応アウトドア関連の仕事に長年携わってきた者からすると、これはもうヤバイ(善悪どっちの意味でも)と言えるレベルだ。
カー用品もかなり充実してきている。
しかし、今回はそういった車中泊に便利な100均ショップグッズを普通に紹介するだけではなく、応用の仕方やちょっとした工作のパーツとして利用する方法などを中心に話を進めて行きたいと思う。
【車中泊に便利な100均グッズ】ダイソー スタッキングできるステンレス二重カップ
「100均ショップグッズを普通に紹介するのではなく」と書いておきながら、最近あまりにも感動してしまった製品があるので、まずはそれを最初に紹介したい。
容量300ccのダイソーのステンレス製二重構造のマグカップだ。
仕事でも使用するし、頂き物などもあるので、アウトドア用のカップなんてかなりの数を既に持っている。
これ以上必要な理由などないどころか、むしろ整理しなければと思っていた程なので、当初カップを購入する気など全くなかった。
しかし、これはラベルに「スタッキングができる」と書かれている通り、お店の棚の上で何段かにきっちりと積み重ねられているのが目を引いた。
きっちりスタッキングができる二重構造のマグカップは案外珍しい。
珍しいと思ってふと手に取ってしまったら、質感や作りも悪くない。
折り畳みできるハンドルもしっかりしているし、スタッキングした様子も全然悪くなくて作り的には全く問題なさそうだった。
さすがに100円商品ではないけど、価格はたったの300円(税別)。
使ってみなければわからないが、持ってみた限りではとても税別300円とは信じられないような品質だった。
ステンレスやチタンのカップは、陶器のように割れる心配がないため、外に持ち出す食器として大変優れている。
そして、縁まで熱が伝わりにくいから、唇にも優しくて使いやすい。
さらに、ステンレスやチタンの真空二重構造のマグカップは保温性も高い。
200cc程度のコーヒーを飲むためにカップに保温性などあまり必要ないと思う人もいるかと思う。
しかし、外にいると外気温の影響だけでなく、風に当たって温かいものはすぐに冷め、冷たいものはすぐに温くなってしまう。
極限まで重量をセーブしたいような状況でもなく、ましてやクルマでの移動なら、保温性のあるカップは絶対にあった方が良いと私は思う。
しかし、「ステンレスやチタンの真空二重構造の」と書いたが、この商品には「真空」の表記はない。
取り敢えず質感も作りも問題ないが、果たして保温性はどうなのだろうという疑問も湧いてきた。
そうなると物欲と言うよりは試してみたい欲を抑えることができなくなり、気付いたらカゴに入れていた。
しかも、スタッキングしなければ意味がないので二個。
また物を増やしてしまったと罪悪感のような気持ちに苛まれながらも、早速他のカップと保温性の比較実験をしてみることにした。
比較検討に使用したのは上の写真の右がチタン製真空二重構造のマグカップ、真ん中が今回主役のダイソーのステンレス製二重構造マグカップ、そして左はポピュラーなDINEX®のマグカップ。
DINEX®は金属ではなくポリプロピレン製で、二重構造だが外側と内側の間は空洞ではなく、保温剤のインサレーションが入っている。
因みにこの中でスタッキングができるのはダイソーマグカップだけだ。
価格は、真空二重構造のチタンは蓋も付属していたが、確か3000~4000円はしたと思う。
しかし、有名ブランド品だと5000円コースが普通だ。
DINEX®は普通の単色のものだったら1000円以内で入手可能だが、300円ということはない。
実験は、この3種類のカップに各々150ccずつお湯を入れ、スタート時のお湯の温度88℃、外気温約20℃、蓋なし、予熱等はなしの条件で、20分毎の温度変化を計測してみることにした。
その結果は以下の通りだった。
20分後
ダイソー:55℃
チタン:52℃
DINEX®:56℃
40分後
ダイソー:40℃
チタン:36℃
DINEX®:42℃
1時間後
ダイソー:35℃
チタン:32℃
DINEX®:36℃
実はチタンのシングルウォールのカップも実験には加えていたのだが、比べるべくもない結果だったので、除外してしまった。
それで、結果は見ての通り。
この三つの中ではなんと一番高価なチタン真空二重構造の成績が一番悪く、DINEX®が一番だった。
一回の実験結果では信頼性に欠けるので、一応もう一度試してみたところ結果はほぼ同じ。
二度目の1時間後の結果はDINEX®とダイソーは同じだったので、この二つはほぼ同等の性能と考えて良いと思う。
しかし、二度目もやはりチタン真空二重構造の成績が一番良くなくて、二度目の1時間後は同位のダイソーとDINEX®より5℃も低い結果となってしまった。
もちろんチタンのカップもメーカーや製品によって性能の良し悪しはあると思うし、チタンには味を損なわず、軽く、耐食性が高いといった大きな利点もある。
そして、ダイソーのステンレス二重カップには塩分や酸の強いものには使用しないようになどの注意書きも小さな字で書かれている。
とはいえ少なくとも私は、ステンレスのダイソーもDINEX®も味や匂いに関してチタンより大きく劣るとは感じていない。
常識的な範囲内での使用なら耐食性も問題はないと思う。
そして今回の実験結果から、ダイソーのスタッキングできるステンレス二重カップの保温性も十分に実用的であると思う。
しかもスタッキングできるので複数あっても嵩張らないという大きな利点もあり、価格はチタンの1/10以下。
私が感動して紹介したくなってしまった理由をご理解いただけたかと思う。
但し、こういった類の食器類のネットショップの商品レビューには、かなり神経質な書き込みを見ることがある。
なので、誰にでも太鼓判を押してお薦めできるわけではない。
しかし、300円でこの実力なら、失敗したとしても一つ買って試してみる価値はあると思う。