
金ケースタイプの腕時計となると、日本人の場合はどうしても敬遠しがちになってしまうが、いまは昔と違ってビジネスシーンでもオフィスカジュアル化が広まるなど、ファション的にも比較的に自由度が広がっている。
そのため、さすがにダイヤモンドなどが付いたジュエリーウオッチはNGだが、金ケースであってもブレスレットではなく革ベルト仕様であれば、金の印象もそれほど強くない。特にブラウン系が増える秋の装いには金が映えるし、長袖になるため悪目立ちせずに済む。チャレンジするにはまさにもってこいの季節と言えるのだ。
そこで今回、金ケースの味わいを比較的に安価に楽しめるアウトラインのリビルドシリーズの金メッキモデルを紹介したい。このリビルドシリーズとは、デッドストックの状態でわずかな数量が発見された1980年代のスイス製手巻き式腕時計である。
もちろん当時は日本で実際に販売されていたものであり、それをムーヴメントとケースはそのまま生かして、アウトラインのコンセプトに則して1940〜50年代のアンティーク風にするべく、インデックスなど文字盤や時分針のデザインだけをすべて作り変えたというものだ。

発見されたのは、クロノグラフの名門であるヴァルジューの手巻きクロノグラフムーヴメント、Cal.7768を搭載したムーンフェイズクロノグラフ。それとスイスの歴史あるムーヴメントメーカーであるフォンテンメロンの手巻き式、Cal.FHF138を搭載する2種類の角形時計だ。
もちろん、これら1980年代製のオールドムーヴメントはデッドストック品とはいえ、そのまま使うのではなく、すべてオーバーホールを済ませており1年保証が付くためご安心を。
なお、いまとは違いケースサイズがアンティークウオッチ並みに小振りな点も大きな特徴。そのため実機が見たいという方は、現在は当サイトのオンラインショップに加えて、ロフトに店舗を構える下記のオンタイム銀座とオンタイム渋谷の2店舗でも取り扱をしている。ぜひ店舗で実機を確認してもらえればと思う。その際には事前に在庫の有無の確認を。
【オンタイム・ムーヴ取り扱い店舗】
オンタイム銀座ロフト店 TEL.03-3561-0723
オンタイム渋谷ロフト店 TEL.03-5458-3076
【レクタンギュラー138IV】

ブレゲ風アプライド(立体的)のアラビア数字を採用し、1940年代のアメリカ製角形時計、俗に言う“角金時計”のような雰囲気に仕上げている点が特徴。
ケースは丸みを帯びたシンプルなレクタンギュラーケースで、ワイヤーラグが施されたとても古典的なスタイルのため、少し経年変化したようなアイボリー系のカラーの文字盤を採用する。アラビア数字インデックスと時分秒針にはゴールドを使用することで、大人っぽい落ち着いたデザインに仕上げている点もポイントだ。
[ケース]真鍮(メッキ)ケース、[裏ブタ]ステンレススチール(ケースサイズ横24×縦31mm、ケース厚8.3mm)。非防水。手巻き(スイス・フォンテンメロン社製 Cal.138)。限定26本(シルバーは完売)。11万円
【レクタンギュラー138BL】

側面に段差を設けた通称ステップドタイプのケースが採用され、12時と6時位置にはさりげなくちょっとしたオーナメントがあしらわれるなど、時代を感じさせるケースの造形が大きな魅力。
文字盤デザインは、この装飾的なケースに対して、あえて地色にブラックを採用しつつ全体を引き締め、インデックスに太めのアラビア数字を使うことで、小振りながらも男っぽく存在感のあるものに仕上げている。
[ケース]真鍮(メッキ)ケース、[裏ブタ]ステンレススチール(ケースサイズ横23.5×縦37mm、ケース厚9.1mm)。非防水。手巻き(スイス・フォンテンメロン社製 Cal.138)。限定18本(ゴールド)。各13万2000円