歴代最多販売を記録した「ケンメリ」・4代目C110系(1972年)
この代からローレルとプラットフォームを共有した姉妹車という10代目R34まで続く関係が始まり、全てのクルマが大きくなっていくのに合わせ、車格を維持すべくスカイラインも大型化、それが時代にマッチして歴代モデルで最多販売を記録しました。
ファストバックの2ドアハードトップに対し、4ドアセダンはオーソドックスなノッチバックセダンであり、「ケンとメリーのスカイライン」というキャッチコピーから愛称は「ケンメリ」ですが、4ドアセダンに限っては「ヨンメリ」とも呼ばれます。
この代でも当然、直4ショートノーズ(エンジンは途中でプリンスG型から日産L型になった)版と直6ロングノーズ版があり、セダンにもGT系が存在して2ドアハードトップ全車ともども、現在までスカイラインのアイコンである丸四灯テールが初登場。
厳しくなる一方の排ガス規制、フェアレディZのように大排気量エンジンで3ナンバー化というわけにはいかない大衆向けアッパーミドルクラスセダンで、モータースポーツでの印相は薄いと思いきや、直4版のヨンメリはラリーで活躍しました。
サーキットではパワフルなエンジンを積めて有利なロングノーズですが、鼻先が短く旋回性能で有利なのは直4ショートノーズ版の方だったのです。
ターボ化でGTが復権した「ジャパン」・5代目C210系(1977年)
ボディ表面を平滑にする「フラッシュサーフェス」や、クサビ型の「ウェッジシェイプ」といった1980年代に大流行する空気抵抗が少ない近代デザインの直前、先代より引き締まった5代目はキャッチコピーが「スカイラインジャパン」で、愛称も「ジャパン」。
排ガス規制がもっとも厳しくなる1978年(昭和53年排出ガス規制)を前に、先代途中から電子制御インジェクション(L20E)やNAPSと呼ばれる排ガス浄化技術で対処したものの、トヨタやいすゞが中断を挟みつつ存続させたDOHCエンジンはなし。
スポーツエンジンでもなく、ドライバビリティ的にも苦しいエンジンラインナップで、トヨタ セリカの広告では名指しを避けつつ「名ばかりのGT」と挑発されたものの、ターボエンジンL20ETを得てGTとして復権を果たします。
4ドアセダンにも搭載されたターボは、ブーストをかけると目前でみるみる燃料計が減っていく燃費の悪い代物でしたが、「大排気量エンジン並のパワーと考えれば低燃費の環境エンジン」という妙な理屈が通る時代でした。
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文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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