1. 平均給与の購買力平価換算

    続いて、名目値の購買力平価換算についても比較してみましょう。

    図4 平均給与 名目 購買力平価換算OECD統計データ より

    図4が平均給与の名目 購買力平価換算の推移です。

    購買力平価で換算するという事は、アメリカ並みの物価水準に置き換えたと見做した数値という解釈になりますね。

    より生活実感を反映した数値と言われていますが、新興国ほど高めに評価される指標となります。

    購買力平価は空間的デフレータとも呼ばれていて、各国間の物価を揃えての数量的な規模を比較するための指標となります。

    日本は1990年代の物価水準の高かった時期がかなり小さな数値となり目立ちません。

    2000年頃から主要先進国でも低めの数値となり、その後の成長率も緩やかで近年では韓国やイタリアを下回っています。

    OECD平均値も下回っていますが、その差もかなり開いているようです。

    図5 平均給与 名目 購買力平価換算 2022年OECD統計データ より

    図5が平均給与 名目 購買力平価換算の2022年の比較です。

    新興国ほど高めに評価されることもあり、日本よりもスロベニアやリトアニアなどの国々の方が水準が高くなっていますね。

    相対的に労働者の賃金水準が日本よりも高いことになります。

    日本は47,499ドルで、OECD平均値56,230ドルを大きく下回り、G7中最下位となります。OECD35か国中で25位の水準です。

  2. 平均給与の国際比較

    今回は平均給与について国際比較をしてみました。

    日本の平均給与は停滞が続いていますが、その間に他の先進国に追い抜かれていて、2022年の時点では既に下位グループにまで立ち位置が変化しています。

    この比較はフルタイム労働者の平均給与を比較したものとなりますので、パートタイム労働者の多い日本としてはやや嵩上げされた水準とも言えますが、この結果という事です。

    皆さんはどのように考えますか?

    編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2023年10月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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