日大の泥沼劇は学生の大麻問題よりも林理事長と澤田副学長のバトルに視点が移ってきました。ただ、林さんのへたくそな「補助金欲しい」という切り口では澤田さんのプライドは収まらないでしょう。あれだけの官能小説、いや失礼、文芸を書いてきた方なら男の心も読めるんじゃないのでしょうか?それともテーブルの上で想像する世界とリアルにはあまりの違いがあったということでしょうか?私はそうだと思います。小説は自分のペンで操作できる空想だけど現実はそうならないのです。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

株式投資はもう少し待ち

日本も北米も株価がだいぶ下がっています。カナダは散々です。ではバリュエーションからそろそろ買えるのか、といえば本格的な第3四半期決算シーズンを迎えた中、正直、今は全く無理の一言です。四半期決算は直前3か月の結果もそうですが、それを受けてこれからどうなるか、という部分に大きく反応します。今回悪役だったのがテスラでEVそのものの盛り上がりを下げてしまっています。半導体も同様だし、不動産とREITは目も当てられない状況に変わりません。チャートだけ見れば日本もアメリカも底打ちには見えません。むしろ来週が試金石になります。

もう1つが中東問題でこれが読みづらいのです。世界的にイスラエルの姿勢に反対の声が高まっており、アメリカでもバイデン氏の声明と市民感情は明らかにギャップが出てきています。ですが、アメリカはイスラエルをないがしろにできないため、アメリカは味方はすると言っておきながらネタニヤフ首相に「どうどう」となだめざるを得ない二枚舌外交に近い状態になります。その間、アメリカの下院議長選出は3度目の選挙もダメ。これで今の候補のジョーダン氏では「冗談じゃない」と議長候補から脱落させられました。あまり長く空席が続くと債務上限問題が11月にあるので確実に引っかかります。

パウエル氏の19日の講演も歯切れが悪いというか、市場の牽制に苦慮しているのがアリアリと分かります。とりあえず11月1日の利上げはなさそうです。カナダの9月度インフレ率が3.8%に下がってきていることから「高金利政策」の効果が出ているのが見て取れます。アメリカも同様の3.7%でガソリン価格という波乱要因を別にすればインフレ鎮静化のクスリは効いているどころか、効き過ぎでオピオイドの過剰摂取のような状態、つまりフラフラになりかねないとみています。今の経済状態なら12月に利上げに踏み込める状況にはならないでしょう。よって株式投資はやがて来る世界の落ち着きを待った方がよさそうです。

「定額」の所得税減税???

表現の自由というのは政治家にもいえる訳で「定額の所得税減税」などという奇策案に私は一つ、お伺いしたいです。「岸田さんの理論は想定よりたくさん入った歳入を国民に還元するということですね。それは一般企業ではプロフィット シェアリングといいますが、それとどう違いますか?」と。つまり所得税減税だろうが、消費税還元セールだろうが、コロナからの解放をうけた出所祝いだろうが何でもよいのです。ばら撒くに於いて必要なのはその理由と原資と経理処理の方法論だけなのです。

経理的に見れば所得税歳入を減らすという処理をするのか、支出でバラマキという処理をするのかでも違ってきます。もしも私なら後者、つまり単純に歳出増という処理の方がすっきりするし、多分そうなると思います。なぜならそもそも所得税を納めていない人も含む「定額」だし、所得税の減収による税収比率変更を見せたくないからです。法人、個人、消費税といった税収比率は財務省にとっては重要な指針のはずで、歳入バランス論が将来の税収の補正、修正案に繋がります。例えれば企業が儲かっても賃金水準見直しではなく、賞与で反映させるのは賃金水準を変えるとそれが次年度以降に基準として残るからなのです。

減税案は基本的に野党も飲みやすい政策であり、岸田氏が虎視眈々と狙う長期政権にプラスになるでしょう。選挙がいつあるのかは別として選挙民にとって選挙の最大の関心は国民生活なのです。そこに飴をくれれば「良い政権よねぇ」になるのは当たり前。外交や正義論をかざす新興勢力の政党には向かい風となります。大企業が新興企業の安売り攻勢を叩き潰すような感じでしょうかね。それを国民は安定と呼び、まるで江戸徳川時代のように「55年体制が260年続いたらいいわねぇ」なのでしょうか?

岸田首相 fatido/iStock