消費税を減税すると社会保険料の負担が重くなる

これを国の予算全体でみてみましょう。社会保障は特別会計になっていて、いま国会で審議している一般会計の予算には入っていないので、よい子のみなさんは知らないと思いますが、社会保障給付費は134.3兆円もあり、一般会計より多いのです。

内閣府の資料

このうち社会保険料は77.5兆円しかないので、赤字の穴埋めとして一般会計から社会保障関係費が出ています。これが36.7兆円で、一般会計の1/3以上を占める最大の支出です。これは毎年1兆円以上ふえ、これからますますふえます。

一般会計から繰り入れる「公費」は、地方自治体の予算も入れて年53.2兆円ですが、毎年ふえます。この帳簿に出ていない隠れ借金が、年金会計だけで800兆円以上ありますが、これは今のところ国債を発行してまかなうしかありません。それは将来世代の負担になってしまいます。

消費税を減税すると赤字の穴埋めが減るので、社会保険料はさらに重くなります。それは国会の議決もいらないので、厚労省令だけで上げられるのです。それを負担するよい子のみなさんは「消費税の廃止」などという話にだまされてはいけません。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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