ホストコンピュータや回線の二重化を徹底

ITジャーナリストの山口健太氏はいう。

「全銀システムでは障害対策としてホストコンピュータや回線の二重化を徹底しており、東京が被災しても大阪で稼働を続けられるなど高い信頼性を誇っています。ハードウェア障害などが一定確率で起きることは避けられませんが、その場合でも予備のシステムで処理を続行できるため、50年間にわたって顧客に影響が及ぶ障害はなかったようです。今回は銀行と全銀システムを接続する中継コンピュータの置き換えにあたって、一部の銀行で問題が発生しています。こうした更新作業は定期的に実施されており、不具合発生時を想定した準備もできていたはずですが、なぜこうなったのか原因究明が待たれるところです。

10月10日は3連休明けの『5・10日』であり、給与振込などで通常より振り込みの需要が高かったことも問題に拍車をかけています。銀行側は振込データをまとめてアップロードするなど非効率な作業に追われており、三菱UFJ銀行は11日の他行宛て振込を午前中で打ち切ることを発表しました。

全銀システムには銀行など預金を扱う全国の金融機関が接続していますが、昨年10月にはスマホ決済などフィンテック企業にも門戸が開かれています。今後は金融分野のイノベーションを支える役割が期待されていただけに、今回の障害が足を引っ張ることにならないか懸念しています」

(文=Business Journal編集部、協力=山口健太/ITジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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