やろうと思えば“盗聴”できる
ひとまずホッとひと安心ということになるのかもしれないが、もちろん音声アシスタント機能を使ったり、ネット検索をしたりすれば話はまったく違ってくる。
「オーケー、Google」や「ヘイ、Siri」などの“ウェイクワード”が使える状態にあるということは、デバイスは常にユーザーの声を聞いているからである。
「音声アシスタントが“キーワード”を聞くことができるようになっている場合、Google、Apple、およびAmazonは常にあなたの話を聞いています。サウンドのサンプルは、アルゴリズムを改善するための分析のためにサーバーに定期的に送信されます。そしてこれらのサンプルは、分析のためにアルゴリズムに送信する前に、音をより適切に分類するために最初に人間の担当者に送られることがあります」(シュローダー氏)
考えてみれば当然のことだが、音声アシスタント機能を使っている限りはその付近での会話や発言は“盗聴”されていることになる。そしてやろうと思えばそれを人間のスタッフが聞くこともできるのだ。
Google、Apple、Amazonもこうして集められた“無価値な”データは定期的に消去しており、たとえばGoogleアカウントではユーザーについてログに記録しているすべてを確認できるページを提供するなど透明化を担保している。

真のリスクは“ターゲット”にされること
シュローダー氏によれば本当のリスクは、ユーザーがダウンロードした可能性のある不正なアプリにあると言及している。その多くはユーザーに気づかれないような方法で、そのアプリがデバイスのマイクやカメラにアクセスすることを許可してしまうように設計されているという。疑わしいアプリは削除するなどの配慮が求められていることは間違いない。
そして最大のリスクは、個人が特定の目的のために“ターゲット”にされた場合であるとシュローダー氏は説明する。
その個人が行っているすべてのことを知ることに価値がある場合、この種の対象を絞った監視は、経済的および技術的により理にかなっており、多くにとっての無価値なデータは一転して収集すべき価値のあるデータとなるのである。
通話を傍受し、位置を追跡し、その活動を“監視”できるスパイウェア「Pegasus」は実際にいくつかの国でターゲットとなった人権活動家、ジャーナリスト、政治家に使用されていることがわかり問題になっている。

“ターゲット”にされてしまった個人がどうやって個人情報を守っていけばいいのか。それは今やプライバシーの問題を超えた社会問題になっていると言って過言ではないのだろう。
参考:「Daily Mail」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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