イスラエルのネタニヤフ首相は、「ハマスが音楽祭やギブツ(集団農園)で行った非人道的テロはイスラム過激派テロ組織『イスラム国』(IS)と同じだ」と激怒している。「ハマス」のキブツでのイスラエル人虐殺は、ロシア軍のウクライナの首都キーウ近郊のブチャ虐殺を想起させる。
ウィーンの中心地、シュテファン大聖堂前広場で11日、パレスチナ人のデモ集会が行われた、同集会は警察側から禁止されたが、多くのパレスチナ人が集まった。1人の若いパレスチナ人女性は、「パレスチナ人は長い間、狭いガザ地区に不法に閉じ込まれてきた。そこから解放されたいので動き出すと、テロリストだといって批判される」と訴えていた。国際社会で「テロ」だとしても、パレスチナ人にとって「民族解放運動」というわけだ。
このパレスチナ人女性の訴えに対し、どのように答えることが出来るだろうか。多くのパレスチナ人は昔から住んいた土地からイスラエル人に追われたディアスポラ(Diaspora)だ。イスラエルが1948年に建国した時、多くのパレスチナ人はヨルダン、シリア、レバノンなどの隣国に避難した。通称、パレスチナ人難民だ。その時、約15万人のパレスチナ人はイスラエルに留まった。彼らは今日、約150万人に増え、アラブ系少数民族としてイスラエル社会で生きている。パレスチナ問題を考える時、アラブ系イスラエル人は重要な役割を担っているのではないか。
イスラエル軍の「24時間内の退避通告」に対し、ハマスは住民に「イスラエルのフェイク・プロパガンダだ。騙されてはならない」と呼び掛け、留まるように求めている。ハマスは住民をイスラエル軍との戦いの盾に利用したいのだ。その盾が無くなれば困るのはハマスだからだ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年10月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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