めまい症状に悩まされている人は少なくない。今回、この「めまい」に対してテクノロジーを活用した新たな越境医療アプローチが始動した。

医療ソリューションを提供する株式会社Parafeed(本社:東京都台東区)と、カンボジア首都プノンペンの病院運営を担うSunrise Healthcare Service Co., Ltd.(本社:カンボジア王国 プノンペン都)は、VR機器を使用した「眼球運動検査装置REEVEER-Pit Eye(以下、Pit Eye)」を運用する協業に合意した。

Sunrise Healthcare Service Co., Ltd.は、脳神経外科を中心とした高水準の日本式医療サービスを提供する救命救急センターなどの設立・運営を担うカンボジア企業。Parafeed社は、越境診療の需要の高まりを一つの背景に、医療機関との連携・協業を積極的に行っていく構えだ。

身近な症状“めまい”…診断機器は普及していない

めまいは、65歳以上では人口1000人あたり男性では28.1人、女性では47.3人と、しばしばみられる症状である。

しかし、これほど身近な病気にもかかわらず、めまいを診断できる専門医は少ないという。診断機器も普及しておらず、認定されたリハビリ法もないという現状だ。

また、新型コロナウイルス感染症の影響によって医療の遠隔診療における規制緩和は続いており、さらに医療分野における医師不足・地域的な偏在、医師の長期労働や医療機関全体の効率化が課題となっている。

そこでICT(Information and Communication Technology)の活用推進により、非対面診療および越境診療はさらなる需要の高まりを見せると予測されている。

めまい患者のQOL向上に向けた協業施策

Parafeed社は今回、病院や健康クリニックを営むカンボジア王国のSunrise Healthcare Service Co., Ltd.との協業を発表。協業の内容は、Parafeed社が提供するVR活用の医療機器・Pit Eyeを運用するというものである。

具体的には、内耳・脳神経機能を起因としためまい症状を有する患者のQOL向上に向けた協業施策の運用・検討、これに付随する検査・リハビリに対するPitEyeの臨床評価などを行うという。

また、日本・カンボジア間の国境を跨いだ越境診療の共同検証や、実運用のフィードバック収集も実施する予定だ。