インド企業がオンライン学習分野で成長
EdTechは技術開発から社会実装までの時間が比較的短い領域であり、世界中のEdTechスタートアップが競争を繰り広げている。
EdTechに関連するスタートアップ企業の設立社数と資金調達額については、以下の通りだ。
2020年に中国が優位に立ったものの、2021年には中国のスタートアップの資金調達は減少した。2021年に中国政府が教育業界に規制を導入する「双減政策」を発表したことが、EdTechスタートアップに影響を与えたことが一因とされている。
一方で、アメリカとインドのEdTechスタートアップは2021年に資金調達に成功し、特にインドの企業は解説動画やオンライン学習を提供する分野で成長した。
インドでは、小学校から高校までの学習内容に関する解説動画を提供し、オンライン学習を支援するBYJU’S社が、2021年6月に3億5000万ドル、10月に約3億ドル、11月に12億ドルの資金調達を実施。
その巨額の資金を用いて、同年7月に米国を拠点に子ども向けデジタル読書プラットフォームを提供するEpic社を、12月にオーストラリアの数学学習ツール開発会社のGeoGebra社を買収するなど、M&Aを中心とした成長戦略を実行した。
スタートアップの成長・資金調達はEdTechの進展を示す指標
アスタミューゼは今回の調査から、EdTech(教育技術)分野においては中国がトップの位置を占めていると分析している。しかし、EdTechは政策に大きく影響を受ける分野であり、中国政府の規制措置がEdTech業界に影響を与えていることがうかがえる。
EdTechは急速に変化する分野であり、特許データや資金調達の動向を追跡することが重要だという。特にスタートアップ企業の成長と資金調達は、EdTech分野の進展を示す指標となるとのこと。
教育技術は今後も進化し、教育分野に革命をもたらす可能性があるが、その展望は各国の政策や規制にも左右されるため、これらの要素を注視しながらEdTechの発展を追跡していきたい。
(文・Haruka Isobe)