文科省としては政治家の強い支持があり、介入できなかったと主張するでしょうし、政治家はそんな意図は決してないとしらを切り続けるのです。日本における問題解決のステップは往々にして大事件が起きてから大変だ、と大騒ぎをします。仮に安倍首相が凶弾に倒れていなければ政治家の厚い壁に阻まれ「解散請求?なんでそんなことをしなくてはいけないのだ!」で終わっていたのです。そういう意味では山上容疑者は大きな利権を銃弾でぶち抜いたと言わざるを得ないでしょう。(同容疑者の肩を持っているわけではないので念のため。)

もう1つは教団の思想が先の戦争や植民地時代の恨み返しのような性格を持っており、特に日本の女性に一定の思想の植え付けを行い、教団の意図する方向に誘導し続けた点においてそれをなぜ許し、日本の女性はそれでもなお、入信し続けるのか、これが謎なのです。

言い換えれば、仮に日本の教団が解散されようが、日本の女性は海を渡り、韓国で入信できるのです。今回の解散請求はほんの一幕で本質については何ら変わることはないでしょう。

では日本の女性は本当に入信したくてそうしているのか、といえば個人的にはそのような人はほんの一握りで、実はいつの間にか洗脳されていたということではないかと思います。特に日本人女性の韓国に対する興味は極めて強く、ジャニーズが無くなってもK-POPがあるという声もあるし、コロナが終わってようやく韓国旅行ができるという女性も多いです。

韓国ドラマが引き続き根強い人気なのは日本のドラマのような作品へのこだわりではなく、強烈でストレートに感性に訴える作りのため、見終わった後の印象が長く続くわけです。わかりやすい例でいうと日本の推理小説は最後の数ページでどんでん返しの結末が来るエンタメ要素を取り入れたパタンが一種の流行になっていますが、あの手の小説は読んでいる時だけが面白く、読後感の印象がほぼ残らないのです。理由はあっけに取られて印象の重みづけが出来ないまま話が終わるからです。韓国ドラマが上手だというのは読後感づくりだという点はあまり触れられていない点だし、女性の感性に見事に訴えるのです。

解散請求は一つの大きな節目であることは間違いありません。日本の社会問題の歴史にも残るでしょう。が、まだ始まりに過ぎず、何ら解決していないということは忘れてはいけないでしょう。

では今日はこのぐらいで

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年10月13日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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