博士は最後に、寛大な寄付者、慈善団体、世界中の政府に呼びかけて、「あなた方の支援は苦しみを和らげ、これらのコミュニティが回復の道を歩むのに有意義な力を与える」と書いている。
アフガン西部ヘラート州で7日、M6.3の地震が発生し、レンガや土で作られた家屋が多数崩壊し、これまで分かっているだけでも2053人の死者が出た。そして11日に入っても同州北方向約23キロを震源とするM6.3の地震が起きた。死傷者は今後も増えると予想されている。住民は余震を恐れて夜も外で明かす人々が多い。同国では昨年6月にも東部で強い地震が起きて1000人以上が犠牲となった。
アフガンは2021年8月15日、イスラム原理主義組織「タリバン」がアフガン全土を再び占領し、駐アフガンの米軍撤退で同国の情勢は激変した。タリバン勢力のカブール入りが伝わると、同国駐在していた外国人要人や家族の国外退去の際の大混乱となったのはまだ記憶に新しい。あれから2年以上が経過、国際社会から孤立するタリバン政権は被災地への救援活動が容易ではない。日本外務省は10日、アフガンへの被災地にテントや毛布など緊急援助物質の提供を発表している。
戦争で多くの民間人が犠牲となっているウクライナでは厳しい冬をまもなく迎える。電気がなく、暖房もない部屋で住む人々がいる。彼らに発電機が届けばどんなに助かるだろうか。中東ではイスラム教テロ組織「ハマス」の襲撃で犠牲となったイスラエルの人々が涙を流している。彼らの涙をどうしたら拭きとれるだろうか。アジアのアフガンでは地震が発生した。家屋は破壊し、家族を生き埋めで失ったアフガンの男はがれきの山に座り、途方に暮れている。外部からの助けが期待できないような状況で、どこから希望が届くだろうか。
閉塞感が漂う中で、助けを必要とする人々が増えている。彼らに静かに手を差し伸ばす人々の姿は美しい。そのような人が少しでも増えていけば、私たちにはまだ希望がある。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年10月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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