何かを生み出すことをあらわす「つくる」。
その漢字表記には、「作る」の他に「造る」や「創る」があります。
この3つ、若干ながらそれぞれがあらわすものが異なります。
そこでここでは、「つくる」の漢字が持つそれぞれの意味を解説します。
「つくる」の意味

まずは「つくる」と読む、「作る」と「造る」に「創る」のそれぞれの意味を見ていきましょう。
「作る」とは
「作る」とは、素朴な方法でこしらえることを表現する際に用います。
この「作る」は、「つくる」の中でも最も一般的な表現となります。
そのため、「作る」を使っておけば間違いとされることはまずありません。
「作る」は、何かしらの素材を用いて組み上げたり、生み出したりする際に用います。
「料理を作る」「インテリアを作る」などを表現する際に使います。
これらの「作る」は、比較的規模の小さなものや形のないものから抽象的なものまで、幅広く対象となります。
材料を用いて「つくる」手作り料理やDIYや、ハンドメイドのインテリアなども「作る」を使用します。
会社や企業に存在する団体や組織をくみ上げることも「作る」を使います。
また、スポーツなどで記録を樹立することを「記録を作る」と表現することもあります。
「造る」とは
「造る」とは、なにかしらの大掛かりな方法でこしらえることです。
特に規模が大きいものを「つくる」際に使用します。
例えば、自動車や飛行機や船、公園や庭園、広場などは「造る」が使用されます。
また、工場など機械で「つくる」ことに関しても、「造る」という漢字を用いることがあります。
この「造る」という表記は、無形のものにはほとんど使われません。
そのため、組織を「造る」といった表現はしません。
「創る」とは
「創る」とは、新しいものを生み出すことをいいます。
この新しいものというのは、ゼロの状態から何かを生み出すことです。
設計図がある製品を1から作るという意味では用いません。
今までにない、新しいモノやコトを生み出す際に用います。
有形無形問わず、これまでにない新しいものが対象であれば「創る」と表現することができます。
使われる状況が狭いため、日常会話や文章作成などではあまり使われない表現になります。
「つくる」の注意点

ここからは、「つくる」を使う際の注意点をご紹介します。
「作る」と「造る」の基準はあいまい
「作る」と「造る」は、使い分けの明確な基準があるわけではありません。
一般的な使い分けとしては、対象となる物事の大小です。
比較的小さなものが対象だと「作る」を用います。
また、形のないものを「つくる」場合も「作る」を使うことが多いです。
「手づくり」なども手を使う範囲を表すため、原則としては「手作り」と表記します。
この「作る」に対して、比較的大きなものを「つくる」場合は「造る」を使います。
具体的な対象がすでに決まっている場合も「造る」となります。
しかし、どこからが大きいので「造る」を使うようにする、これは小さいので「作る」にするといった基準は設けられていません。
創るを「つくる」と読むのは常用外・・・ではない
創るを「つくる」と読むのは、常用外なので一般的な表現ではないことから公用文では使用しない。
とされることがありますが・・・、実はこれは誤りというか古い情報です。
2010(平成22)年に更新された常用漢字表では、「創」の読みは従来の「ソウ」の他に「つくる」も加えられています。
ですから、創ると書いて「つくる」と読むのは常用範囲内の読みという事になります。
しかし、0から物事を生み出すという意味合いがあるため、「創る」を使うこと自体が日常ではあまりないかもしれません。