政府の政策の責任も
――2024年問題に関わる政策はどのように評価されていますか。
坂田 政府はもう少し別のやり方があっただろうと思います。私は物流の2024年問題は政府が仕掛けたマッチポンプだと見ています。厚生労働省が主導する働き方改革の弊害として生じた課題であり、火消しに動いているのは、国土交通省、経済産業省、農林水産省です。ドライバーの長時間労働を禁止することで、物流ビジネス全体の生産性向上を狙っているのです。
2001年に発足した小泉政権が物流ビジネスの規制緩和を行なって、4万5000社ぐらいだった運送会社が今では6万社を超え、過当競争を引き起こしました。このことが運送会社の立場を弱くしたり、ドライバーの長時間労働を助長した最大の要因です。極端な話、運送会社の数が4万社ぐらいに減ってくれれば、過当競争がある程度解消され、運送会社は荷主に発言権を持てるようになります。
――プラス評価の要素はありますか。
坂田 もちろん政府の政策にも良い部分はあります。それは運送会社に「値上げ交渉をしなさい。値上げによって経営を健全化して、ドライバーの年収に還元しなさい」と促していることです。しかし値上げされたら荷主は困りますが、「その解消を考えるのは荷主ですよ」という流れをつくりました。数少ない政策の良い点です。
(文=Business Journal編集部、協力=坂田良平/物流ジャーナリスト)
提供元・Business Journal
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