あべのハルカス美術館(あべのハルカス16階)で、9月16日(土)~11月12日(日)まで「安野光雅展」が開催されています。

本展は、安野光雅が存命であった2020年に開催される予定の企画でしたが、新型コロナウイルスの流行により中止されました。その後2020年12月に安野光雅はこの世を去りますが、熱い想いが実を結び、改めて開催する運びとなりました。

目次
安野光雅の人生を振り返る
子どもも大人も楽しめる展覧会

安野光雅の人生を振り返る

【大阪】安野光雅展『ふしぎなえ』から始まる。それは、めくるめく緻密で物思う世界
(画像=『たびこふれ』より引用)

1926(大正15)年、島根県津和野町に安野光雅は生まれました。身体は小さいけれど、とても元気な赤ちゃんだったとか。

少年の頃から画家になることを夢見て育ちましたが、父親のすすめで福岡の筑豊の炭鉱に就職します。19歳の時に召集され、柳井の部隊に配属されました。戦後24歳で上京し、美術教員のかたわら本の装丁などを手がけます。そして、1968年42歳のときに、『ふしぎなえ』で絵本作家としてデビューします。

遅咲きではありましたが、以降は半世紀にわたり、画家、絵本作家、装丁家、エッセイストとして2020年12月に亡くなる間際まで多彩な活動を続けました。

あまり絵に直接関係無いように感じるこういったひとつひとつが、安野光雅の世界を構成する大切なカケラであり、柱なのだと今回の「安野光雅展」を見て強く思いました。

子どもも大人も楽しめる展覧会

【大阪】安野光雅展『ふしぎなえ』から始まる。それは、めくるめく緻密で物思う世界
(画像=『たびこふれ』より引用)

今回の「安野光雅展」では、小さな子どもから大人まで楽しめるように色んなアイディアが詰め込まれています。展示方法もかわいい!

また会期中にさまざまなイベントも開催されます。

  • 貸切鑑賞会「たまご&ひよこ+おしゃべりDAY」
  • 大阪市立阿倍野図書館共催「本の修理講座」 など

私は今回、内覧会で学芸員さんと津和野町立安野光雅美術館の大矢鞆音館長のお話から安野光雅の話を熱く聞いたことで、どんどん興味が深まりその度に自分の中での絵の味わいが変わっていくのを感じました。

ぜひ、イベントに参加して、展示の間にある説明にじっくり目を通していただき、安野光雅を知ってより楽しんでいただければ、と思います。

【大阪】安野光雅展『ふしぎなえ』から始まる。それは、めくるめく緻密で物思う世界
(画像=『たびこふれ』より引用)

津和野町立安野光雅美術館のコレクションより、『ふしぎなえ』『さかさま』『ふしぎな さーかす』、そして、私の心をつかんで離さない「旅の絵本」シリーズが展示されています。今回は最初に訪れたデンマーク編と「旅の絵本X オランダ編」から展示されています。

何度もずっと見ていられる、そして、見るたびに発見があるシリーズだと思います。今回の会期は、9月16日(土)~11月12日(日)までと余裕のある開催期間となっておりますので、ぜひ何度でも足を運んで新しい発見をして欲しいです。

【大阪】安野光雅展『ふしぎなえ』から始まる。それは、めくるめく緻密で物思う世界
(画像=『たびこふれ』より引用)

2004年から4年にわたり中国にスケッチ旅行をし、完成させた大作『繪本 三國志』がこちらです。雰囲気ありますよね。画材なども現地で購入して描いたというこだわりの大作は歴史絵巻を見ているようでもあり胸に迫るものがあります。

今回、外部での展覧会として初期から後期作品まで かつて無い規模と数の展示があり、まさに安野光雅の人生を一緒になぞるように集大成をここで見れる!と言っても過言では無いでしょう。

【大阪】安野光雅展『ふしぎなえ』から始まる。それは、めくるめく緻密で物思う世界
(画像=『たびこふれ』より引用)

こちらのコーナーで子どもも、そして、子どもの心を持つ大人たちもゆっくり絵本などを読んだりすることができます。小さな子ども連れだと続けて絵を見る事に集中し過ぎてしまったりする事もあると思いますので、このスペースは嬉しいですね。

またリーフレットに、子どもがこの展覧会を楽しめるようにそれぞれのコーナーのなぞなぞが書いてありますよ。その名も「探して想像する、安野光雅展」です。大人も一緒になぞなぞを読んで、じいっと絵を見つめてみたら新しい発見がありそうです。