みんなで大家さんのデメリット

「みんなで大家さんは危ない」と言われる理由にもなっているデメリットについて解説します。

デメリット:最低投資金額100万円~

一般的な不動産投資よりも初期投資金が少ないとはいえ、最低投資金額が100万円なのでハードルが高いと感じる人もいます。

デメリット:行政処分の過去

実は、みんなの大家さんの営業者である「都市綜研インベストファンド株式会社」は2013年(平成25年)に資産過大計上を理由に行政処分を受けています。ただ、その後サービスを再開させて10年以上、元本割れを起こすことなくサービスを続けています。

デメリット:元本は保証されない

前述したように過去に元本割れしたことはありませんが、元本が保証されているわけではありません。リスクのない資産運用をしたい人には手が出しづらいでしょう。

都市綜研インベストファンド株式会社の賃借対照表を読み解いてみよう

「最低投資金額100万円~」はデメリットとして取り上げましたが、不動産投資の観点からは非常に手頃な金額です。そのため、必ずしもそれ自体が危険性やリスクになるとは言えません。

一方で、「行政処分の過去」については投資者として気になるところです。そこで2023年時点での「都市綜研インベストファンド株式会社」の運営状況を詳しく知るために、同社が公表している賃借対照表を「流動比率」と「固定比率」という2つの指標から読み解いてみましょう。

参考元:都市綜研インベストファンド株式会社 第25期決算公告(2023年6月30日発表)

流動比率(流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100)は?

流動比率とは、流動資産(短期間で現金化可能な資産)を流動負債(1年以内に支払義務のある負債)で割ったものです。

同社の流動資産と流動負債は、第25期決算公告では以下のようになっています。

(資産の部)金額(千円)(負債の部)金額(千円)
流動資産16,214,178流動負債79911970

流動比率の計算式は以下の通り。
流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

この計算式に当てはめると、同社の流動比率は約 20.29 %になります。

一般的に流動比率は、100%を超えることが望ましいとされています。流動資産が流動負債をカバーできることを示しているためです。そのため「流動比率」という一点のみで判断すると、一定の危険性があると言えます。

ただし現時点での20.29%という数値は、後述する「日本ゲートウェイ成田」の計画などに大きな先行投資をしているためとも考えられます。短期的には負債が先行していることを示していますが、「数字だけ」を見て危険性があると判断するのは早く、他の指標も合わせて確認することをおすすめします。

固定比率(固定比率(%) = 固定資産 ÷ 自己資本 × 100 )は?

固定比率とは、自己資本(純資産)に対する固定資産(会社が1年以上にわたり長期保有している資産)の割合を示したものです。

同社の固定資産と自己資本は、第25期決算公告では以下のようになっています。なお、賃借対照表では、自己資本は一般的に「純資産合計」という項目に計上されます。

固定資産(千円)217992500純資産合計(千円)9,298,339

固定比率の計算式は以下の通り。
固定比率(%) = 固定資産 ÷ 自己資本 × 100

この計算式に当てはめると、同社の約2344.42%となります。

これは、固定資産の価値が自己資本の約23.4倍であることを示しています。固定資産を全て自社でまかなっていれば、固定比率は100%を下回ります。

一方、100%を超えている場合は固定資産への投資金を外部調達でまかなっているということになり、2344.42%という非常に大きい数字は、同社の経営状況について「借り入れが極めて大きいのではないか」という見方はできるでしょう。

そのため流動比率と同様に、固定比率だけを見ると同社が「危険である」と判断できます。とはいえ、「みんなの大家さん」は過去に元本割れといった事は起きていないため、数値だけで投資判断するのではなく、後述する「日本ゲートウェイ成田」などのプロジェクトに共鳴できるかどうかといった点も重視しましょう。