2台ともに快適さは超一流。そのうえでヴェルファイアはスポーティ!

アルファードはエグゼクティブラウンジの2WDとE-Four(ともに17インチタイヤ)を乗り比べた。走りは圧倒的に滑らか。高級サルーンとしてすべての人に愛されるに違いない完成度が印象的だった。

【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

乗り心地はどちらも十分に快適な中にも、2WDはしっとりしなやか。E-Fourは重量増に対して足まわりが微妙に強化されているせいか、若干の硬さ感を感じたものの、足回りの味付けのよさと優れた前後バランスが効いて、フラット感においては微妙に上回るように思えた。ハンドリングは素直だった。操舵に対する応答遅れはなく、正確にイメージしたラインをトレースしていける。なんら物足りなさを感じることはない。

ヴェルファイアは、アルファードから乗り換えるとてすぐに違いがわかる。タイヤは19インチ、専用チューニングされた足回りは、路面への感度が高く凹凸を感じやすくなっている。だが、決して不快というほどではない。接地感は高くステアリングにも手応えがあり、切ると俊敏に回頭する。反応はクイックすぎるほどではなく、挙動は乱れにくいので同乗者に不快な思いをさせる心配はない。

【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

後席は、多少のコツコツはあるが快適だ。むしろ振動の振幅が小さく、収束が早い点が好印象だった。ヴェルファイアは、乗り心地も操縦性も絶妙なさじ加減でスポーティさと乗り心地の両立が図られている。中でもZプレミアは足回りのチューニングと重量の違いによってか、よりアクティブな走りを楽しめるようになっていた。

日常ユースで心地いいハイブリッド。2.4リッターターボはパワフルさが印象的

パワートレーンは、両車とも2.5リッターハイブリッドが新型のメインである。ハイブリッドは従来型にはなかった2WDが用意されたのがポイントだ。また、アルファードにはジェントルな2.5リッターのガソリン車も用意されている。

【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

ハイブリッドはエンジンとフロントモーターの出力が従来よりも大きく向上し、システム最高出力は197psから250psに向上、ハイパワー化のメリットで、なかなか力強いながらも、ジェントルにしつけられている。チューニングしだいで、もっと瞬発力を出せそうだが、あくまでも高級サルーンにふさわしく「控えめ」にしているようだ。

エンジンの停止~再始動は意識しないとわからないほどスムーズ。市街地を主体に使うなら、出足のアクセルレスポンスがリニアで力強く、扱いやすいハイブリッドに優位性を感じる。WLTCモード燃費は16.5〜17.7km/リッターと経済的だ。

【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

ヴェルファイアのZプレミアに搭載される2.4リッターターボは、279ps/430Nmとハイスペックだけあって、さらに力強い。クラウンRSなどでもすでにその高い性能は何度か味わっているが、車重2㌧超の重量級ミニバンとの組み合わせでもパワーは申し分なく、速さを体感できる。踏み込むと伸びやかな吹き上がりを味わえるのが、このエンジンの醍醐味だ。
それでいて、あまり唐突に強い加速Gが生じるような特性とはされていない。たとえば欧州勢のダウンサイジングターボ車が、中間加速の盛り上がり感を強調するかのようにしているのと比べると、控えめな印象を受ける。最高級ミニバンとして、加速時に頭が揺すられて同乗者に不快な思いをさせないように、との配慮があっての味付けだろう。
新型は静粛性についても申し分ない。中でもエグゼクティブラウンジは想像以上に静かで感心した。走行中でも1列目と3列目で無理なく話しができるほど会話明瞭度は高い。インフォテイメント系や先進運転支援装備についても最新の機能が満載されていることをお伝えしておこう。

新型の完成度は驚くほど高い。これなら皆がほしがるのも納得だし、購入した誰もが満足するだろう。ワールドワイドに通用する、最高級サルーン&ミニバンに新たなベンチマークが誕生した。