ポルシェといえばRR(リアエンジン・リアドライブ)の911ですが、911以外のスポーツカーにも挑戦してきた歴史があります。
そしてそれらモデルは、現行型の718 ボクスターやケイマンも含めてスポーツカーとして一級品であることは間違いありません。
そのなかから今回はボクスターに注目します。
目次
初代ボクスターのヒットがポルシェの経営を支えた
楕円形ヘッドライトに変わった2代目
初代ボクスターのヒットがポルシェの経営を支えた
FRのポルシェ 968の後を受け継ぐカタチで、ミドシップ化された「ボクスター」。初代の986型は、1996年に登場し、スマッシュヒットを飛ばします。
スタイリングは、涙目のヘッドライトに賛否両論ありながらも、全長4,315mm×全幅1,780mm×全高1,290mm、ホイールベース2,415mmというサイズは、いまでは十分にコンパクトといえる大きさで、1270kgという重量も軽量級といえる重さに収まっています。
車名の由来になったとおり、”ボクサー(水平対向)”エンジンを積んだオープン仕様であり、911よりも手軽に買える価格も魅力的でした。
この年代になると、さすがに中古車のタマ数は減りつつありますが、まだ選択肢は残っています。
15万kmくらい走っていても150万円前後のプライスタグを付ける物件もあり、いまだに一定の人気を維持していることも事実ですが、個人的には(状態次第ですが)故障のリスクを負ってまで手に入れる価値があるかは少々疑問が残るところです。
楕円形ヘッドライトに変わった2代目
2004年12月に2代目の987型になり、ヘッドライトは涙目から楕円形に変わり、言ってみれば見慣れたポルシェらしい顔つきになった感があります。
ボディ剛性の高さや若干のサイズの拡大(全長4,330mm×全幅1,800mm×全高1,295mm)とトレッドの拡大により、走りに安定感が生まれています。
ホイールベースは、相変わらず2,415mmと短めで、回頭性や機動力の高さを維持しながらスタビリティが向上。
「ボクスター」は、176kW(240PS)の2.7Lエンジン、「ボクスターS」は206kW(280PS)の3.2Lエンジンを搭載していましたが、2007年にはエンジンヘッドに可変バルブタイミング機構のバリオカムプラスが装備され、ボクスター、ボクスターSともにパワーアップしています。
動力性能を重視するのであれば、当然「S」になりますが、素のボクスターでも十分にその真価を味わえます。
MTの比率はATよりも低く、スポーティな走りを重視するのであれば、個人的には「S」の6MT仕様がベストチョイス。
2009年には、ATがトルコンからデュアルクラッチのPDKに変わり、よりスポーティな走りが得られるようになりました。