「おどる」という言葉には、「躍る」と「踊る」という2種類の漢字表記があります。
どちらも音楽に合わせて勢い良く動くといった意味で用いられますが、「踊る」は音楽のリズムに合わせて体を揺れ動かすこと、「躍る」はとんだりはねたりして勢いよく動くことというような意味があり、意味合いが異なります。

そこでここでは、近いようで意外と異なる「躍る」と「踊る」の違いについて解説します。

2つの「おどる」の意味

【おどる】心が躍る?心が踊る?「おどる」は使い分けたらいいの?
(画像=『FUNDO』より 引用)

まずは、「踊る」と「躍る」2つの「おどる」の基本的な意味を見ていきましょう。

「踊る」の意味

「踊る」は、音楽のリズムに合わせて体を揺れ動かすことをあらわしています。
「舞踊」という熟語に用いられるように、音楽や歌に合わせて手足や身体を動かして、リズムに合わせて動作をすることというような意味合いで使われます。

「躍る」の意味

「躍る」は、とんだりはねたりして勢いよく動くさまを指しています。
「踊る」のように音に合わせて動くわけではなく、「小躍りして喜ぶ」「身を躍らせて飛び込む」といった用い方をし、はねあがる様子に対して用いられます。

心が「おどる」はどちらを使う?

【おどる】心が躍る?心が踊る?「おどる」は使い分けたらいいの?
(画像=『FUNDO』より 引用)

嬉しいことがあった時などに使う「心がおどる」という言葉。
このような場合は、どちらの「おどる」を用いるのが正解となるのでしょうか?

心は「躍る」!

「心がおどる」は、「躍る」を用います。

「心がおどる」は喜びや楽しみといった期待に対してたかぶる心情をあらわしています。
そして、「躍る」のはねあがる様子は、喜びや驚き、緊張などで胸がドキドキする、動悸が激しくなるというような様子も対象となります。

逆に、リズムに合わせて体を動かすといった要素はありません。
心臓もバクバク高まりますので、リズミカルにというよりはねあがるといった方が近しいものがあります。

そのため「心がおどる」の際は「躍る」を使用し、「心が躍る」となるわけです。