長沼洋一(サガン鳥栖)

2022シーズンの7月にサガン鳥栖へ加入したMF長沼洋一。昨季はシーズン途中での加入にもかかわらず、鳥栖でのデビュー戦となった第23節の清水エスパルス戦でいきなりゴールをマーク(3-3)。以降スタメンで起用され続け、今季も開幕からほぼ全試合スタメン出場を果たしている。

両サイドで高いクオリティを出せることも持ち味だが、大きな魅力はその得点力。ここまでに挙げた得点数9はチーム最多。狙いすましたミドルシュートや背後への抜け出しに加え、178cmと決して大柄ではないがクロスへの入り方とヘディングの上手さを活かしたゴールなど、パターンも豊富で得点の匂いを感じさせる選手である。

現在の日本代表で言えば、2列目には海外組かつ所属クラブでチームの中心として活躍している選手がずらりと揃っている。今回選出されていない海外組も含めれば、Jリーグから2列目の選手が選ばれる可能性は今後も低いだろう。長沼はMF三笘薫(ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン)らと同世代の26歳。伸び盛りの今、ゴールやアシストといった結果が出ていることは大きな自信につながっているはず。長沼の好調ぶりを見れば、すぐにでも代表戦でその姿を見たい選手ではあるが、次回選出に向けて今後の活躍と去就にも注目だ。


アビスパ福岡 FW山岸祐也 写真:Getty Images

山岸祐也(アビスパ福岡)

今季J1第29節を終えリーグ8位と、2021年のクラブ史上最高成績に並んだ状態でシーズン終盤を迎えているアビスパ福岡。さらに上との勝ち点差も詰まっていることから、最高成績の更新も十分に狙える状況にある。そんな福岡を牽引している選手の1人がFW山岸祐也だ。

加入4年目を迎えた今季も、昨年同様にチームの中心として躍動。ここまで29試合すべてにスタメン出場を果たし、8ゴール3アシストと多くのゴールに絡んでチームの躍進を支えてきた。特に直近の3試合では、共に攻撃を支える存在であったFWルキアンやFW佐藤凌我を負傷で欠いた中、2アシストとこれまで通り攻撃を牽引。前線で組む相手や立ち位置、システムの変更があっても変わらず結果を出せる柔軟さを見せている。昨年10ゴールと2桁ゴールを挙げた勢いは変わらず、加えて今季はより一層周囲を活かすプレーにも磨きがかかり、冷静に状況を見極めたプレー選択も相まって凄みを増している印象だ。

30歳という年齢もあり、次のW杯を見据える上でこれから代表デビューと定着を目指すには多少の遅咲き感が否めない。しかし、FWが点を取らずとも成り立つ強力な2列目の陣容を整えている今の日本代表は、山岸の能力を活かす絶好の環境とも言えるのではないだろうか。リーグ戦のみならず、カップ戦も好調な今季の福岡から代表への招集は難しい面もあるだろうが、まさに今こそ試してほしい戦力の1人であったことは間違いない。