樋口雄太(鹿島アントラーズ)
2023シーズン序盤は4連敗を含む5戦勝ち無しを味わうなど苦戦した「常勝軍団」鹿島アントラーズ。しかし、第29節を終えた最終盤では現在4位と上位につけている。もちろん、タイトルをとったわけではないが、序盤につまずいても結果的にチームを上位に持っていけるメンタリティは他クラブにとって脅威に違いない。
そんな今季の鹿島を支える選手の1人がMF樋口雄太だ。ここまで中盤中央やサイドで出場機会を得て28試合に出場。3ゴール12アシストとすでに昨季を上回る結果を出し、序盤に低迷したチームの立て直しに貢献している。アシスト数12はチーム最多であると同時にリーグでも最多。流れの中でのボール供給能力はもちろん、空中戦に強いFW鈴木優磨、DF植田直通らの力による部分もありながら、セットプレーキッカーとしても十分な役割を果たし多くの得点を生み出している。
今回の招集メンバーも含め、現在の日本代表にはかつて「絶対的なキッカー」として力を発揮した中村俊輔(2022年引退)やMF遠藤保仁(ジュビロ磐田)のような選手が不在。樋口を招集する上でライバルが強力なことは承知の上だが、セットプレーを得点に結びつける1つのピースとして、代表での樋口の活躍を見てみたいものだ。
満田誠(サンフレッチェ広島)
今季は開幕からチームの中心選手として活躍するも、第12節のアビスパ福岡戦(3-1)で負傷交代し長期離脱を余儀なくされたFW満田誠。しかし、第23節の浦和レッズ戦で復帰を果たし、約3ヵ月戦列を離れていたとはとても思えない活躍を見せている。
思えば満田が戦列を離れた5月以降から復帰する8月までの11試合で、広島が挙げた白星はわずかに2つ。それが満田復帰後はここまで7試合で5勝1分1敗となっている。もちろん、すべてが満田に起因するものとは言えないが、今の広島にとって欠かせない選手であることは間違いない。
昨年7月に行われたEAFF E-1サッカー選手権2022で初めて代表に招集され2試合に出場した満田。いずれも途中出場となり絶大なインパクトを残したとは言えないが、今季は間違いなく当時より進化を遂げている。豊富な運動量や急所を狙うパスセンスのほか、もともと攻撃的なポジションを得意としていたこともあり、エリア付近での存在感も抜群だ。満田が得意とする各ポジションは、海外組だけで見ても候補選手が渋滞気味の日本代表。しかし、Jリーグでの活躍ぶりを見れば、満田にも割って入る余地は十分にあると言えよう。