1. 自分への戒め

    情けないお話ですが、こんなことを言っている自分でも、「あ、この患者さんにもっと訪問すれば2万円アップか…ついでに採血もしとけば点数どんどん上がるな…あんまり患者さんの健康や幸福には関係ないけどやっとくかな?」などとヨコシマな感情が湧いてきてしまいます。

    患者さんの負担の殆どは1割しかありませんから患者さんは殆ど気にしませんし…。

    診療報酬を公開することで、自らに湧き上がるそんな不純な感情を抑え込むことも目的の一つです。

    こうすることで、「真に患者さんに必要な医療を過不足なく提供する」ことの助けになるかと思います。

    まとめ

    まとめますと、「ぼくが自分の報酬を公開する理由」は、

    大きな理念として

    「医療はビジネスでなく社会の公的事業」

    という大前提があり、

    その中に、

    若手医師へのメッセージ(過剰な医療提供から脱せよ) 医療業界へのアンチテーゼ(開業医は優遇されすぎ) 自分への戒め(ついつい患者さんの健康以上に利益を求めてしまう)

    という目的があるというものでした。

    たしかに、ここまで赤裸々に公開する必要もないのかもしれません。だれも求めていないかもしれません。

    でも、何度もいいますが、医療は社会の公的事業です。

    情報はなるべく公開されるべきだし、その上で過剰な医療提供は是正されるべきです。

    医師は業界のトップに君臨しているのが常態なので、なかなか自己批判が出来ない業界です。でも、こうして誰かが内情を公開することで、少しずつ内側から風穴が開けば…と思っています。

    以上、「ぼくが自分の報酬を公開する理由」でした。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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