なぜそうなったかといえば、汚職問題に絡みIOCに力がある日本人がいなかった公算は大いにあり得ると思います。元日本オリンピック協会会長の竹田恆和氏も東京地検から取り調べを受けた中で山下泰裕現会長以下の陣容は各スポーツ連盟の代表がほとんど。その中で副会長に元外交官で中国の大使を歴任した横井裕氏がいますが、IOCの政治は外交官の政治とは違う世界があるように見え、日本の五輪を持ってくるのは様々な外部環境も含め、容易ではないと察しています。
報道によれば札幌は34年以降の誘致に切り替える、としています。ただ、仮に30年にスウェーデンになれば34年はソルトレイクシティがほぼ当確になります。また噂ではIOCは30年と34年分の同時発表の可能性もアリとされます。とすれば札幌の34年の誘致はほぼ困難だろうと思います。その次の38年になるのでしょうか?ずいぶん先の話で地球温暖化がどうなっているか予想もつきません。また冬季五輪そのもののスタイルを抜本的に見直す案もあります。
個人的には日本でのいわゆる通常の五輪開催はだいぶ遠のいたと言わざるを得ないのではないかと思います。端的に言えば、網に入っていた魚が逃がしたのが今回の札幌の顛末です。
また、そこまでして日本で五輪を誘致したいのか、という世論の盛り上がりも無くなっている気がします。仮に38年となれば14年先であり、世代が一回りするわけでIT化に影響を受けた日本人はもっとクールになっているような気がします。
残念でしたが、やむを得ないと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年10月8日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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