総務省は「周波数再編アクションプラン(令和5年度版)(案)」を公表し、意見を募集している。それを読んだ外国メディアから「何を言いたいかわからないので教えて」と問い合わせが来た。かつて、彼らの取材に答えたことがあるので、それにすがって僕に依頼が来たようだ。

電波の利用状況調査結果等に基づいて、多様な電波システムを周波数ごとに再配置する作業を総務省は進めている。たとえば、第五世代移動通信システム(5G)を新規に割り当てるには、5Gに適した周波数帯を今利用している電波システムを他の周波数に移動したり廃止したりする必要がある。これを周波数再編と総称し、アクションプランは、その具体的な計画である。

電波の利用には国際的な原則があるが、詳細は各国の主管庁に委ねられている。周波数の割り当てによっては、電波システムの国境を越えた移動がむずかしくなる貿易障壁が懸念されるので、外国メディアも取材するわけだ。しかし、彼らは日本語能力が高いわけではないから、アクションプランが読み取れない。

外国メディアがひっかかった文章の一例は、

4.9GHz帯(4.9~5.0GHz)については、令和7年度末までの5Gへの周波数割当てに向けて、既存の5GHz帯無線アクセスシステム(登録局)を新たに開設することが可能な期限を令和7年度末までとするとともに、同周波数帯に導入する5Gの技術的条件を令和5年度内を目途に取りまとめ、既存無線システムについては、終了促進措置を活用した他の無線システムへの移行等の検討を進める。

これは、次の三つの文章を複雑に組み合わせてできている。