リモートワークで可能性は広がる
しかし、子持ちシングルが起死回生の一手を講じる手段がある。それがリモートワークである。
リモートワークは主に能力主義、成果主義の色彩が強い企業で採用されるワークスタイルだ。そのため、家で突発的に子供の面倒を見ることがあっても成果を出せるなら眉をひそめられることは少ない。具体的にいえば、プログラミングや翻訳、デザインや動画編集といった職種である。こうした職種は工場の流れ作業と違って労働集約的ではない。サラリーマンでもそうだが、特にフリーランサーにおいては成果物の質と量が評価のすべてとなる。育児のハンディは少々あっても、かなり限定的になる。
また、何より大きいのが出退勤が不要という点だ。筆者の知人の子持ち親は仕事が終わったら慌ただしく帰っていく。学童に預けていた子供を引き取ったり、塾への送迎が待っているためだ。だから学校、職場、家のトライアングルの物理的距離は制約が強い。しかし、リモートワークによってこのトライアングルを家と学校だけにできるなら、制限はかなり緩和される。キャリアの幅も広げられるだろう。
子持ちになる前の段階から、現職をリモートで提供できるスキルを持っておくと強力なリスクヘッジになるだろう。また、フリーランサーなら複数の仕事をリモートでかけもちして、それぞれ単体で最低限の生活ができる収益を作ることができれば、子供の成長に応じて仕事量のコントロールもできる。
また、これは極端な例だが、子持ちシングルになってからブロガーやYouTuberで収益を得るようになったり、FXや株のトレードで経済力を維持する事例もある。こうした仕事もリモートワーク力を活用できるといえるだろう。
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人生一寸先は何があるかわからない。だからパソコンやスマホの重要データのバックアップを取る感覚で、収入源やワークスタイルもバックアップを取っておくことを勧めたい。特に子持ちの親となると、自分ひとりの人生では済まなくなる。万が一の備えの一つとして、リモートワーク力は強い味方になってくれるはずだ。
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