本当に潰れる直前の会社の社長は「明るい」
基本的に、会社が潰れそうになれば社長の顔色は黒く、そして表情も暗い。だから、社長を見るだけで「この会社、ヤバそうだな…」って感じることができます。一方で、ある一線を超えると潰れそうな会社の社長は明るくなるのです。それも弾けたように。
理由は簡単。もう諦めてどうでもよくなってしまったから。あるいは、夜逃げの準備ができて、あとは逃げるだけになったから。
前者は現実逃避。後者は昔の言い方で言うと「高飛び」ですね。目の前の負債、借金、給与の支払いから逃げられるとわかって、反動でハイになってしまうわけです。
例えば、ある税理士の話によれば、クライアントである顧問企業の社長が業績不振で倒産間近の憂き目にあっていた。どんな優秀な税理士でも、会社そのものが売上をつくれないのであれば、なかなか効果的なアドバイスもできません。
社長の顔色は優れず、借金の支払いに怯えていた。しかし、あるとき突然朗らかな表情に変わって、明らかにハイになっている。もちろん、業績は変わらずよくない。むしろ倒産のカウントダウンが始まっている。
そして、社長は突然いなくなったそうです。あとで関係者から話を聞くと、どうもそのハイになっていた時期は、会社に残っていた資金を個人的に入手し、どこか遠くの田舎に住居を確保し、あとは逃げるだけになっていたそうな……。
だから、暗くなっていた社長が、何の妙案も対策もないのに突然明るくなったら、最後の最後。しかし、突然ハイになるなんて、怖いシグナルですよね。
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横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン(株)代表取締役 WORKtheMAGICON行政書士法人代表 特定行政書士 1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ1,700人以上が参加。著書に『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、『士業を極める技術』(日本能率協会マネジメントセンター)、他多数。 会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業 | 横須賀輝尚
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年10月5日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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