蕎麦と本式の日本料理を味わう「酒蕎茶果 泥と蓮」(しゅきょうさか どろとはす)が、神戸市三ノ宮にオープンした。これまでの蕎麦店の在り方に一石を投じ、日本酒と蕎麦とのペアリングを考求する同店では、蕎麦や酒だけでなく、抹茶や茶菓子も楽しめる。
神戸の新店で至高を味わう体験をしてみたい。
こだわり蕎麦&日本酒と茶が楽しめる「酒蕎茶果 泥と蓮」
「酒蕎茶果 泥と蓮」のメニューは、蕎麦を主体に構成された懐石仕立ての「季節のおまかせ」コースのみ。蕎麦は素材から精選し、製粉にもこだわり抜いた粗挽き十割を鴨せいろで味わう。
食後には茶司が点てる茶と果子(茶菓子)を楽しもう。
蕎麦打ちの環境から徹底した蕎麦
これまでは喉越しや細さ、長さ、艶、緑色などが、良質な蕎麦の基準だった。しかし、同店では日本酒とのペアリングを念頭に置き、味や香り、つまりミネラルを感じる蕎麦打ちにフォーカスしている。栃木や茨城、長崎、鹿児島などの丸抜き・玄をブレンドし、さらに秋は福井や北海道、神戸三田の蕎麦を採用。電動石臼と手挽きを使い分け、自家製粉する。
水は明石の酒蔵仕込水、温湿度も厳密にワインセーラーで管理。麺打場の室温も低温に保ち、厳しく制御された環境で、力強い蕎麦を打ち上げる。
鴨は通年但馬鴨だが、秋のジビエシーズンには網取りの尾長鴨を採用する。オーブンで休ませながらゆっくりと火入れし、炭火で香ばしく、しっとりとしたロゼ色に焼き上げる。
ペアリングを追究した酒
同店の酒は、料理との相性を考え抜き、ペアリングを追求したものを用意している。生産量を絞り高品質な日本酒を造り続ける小規模生産者や前衛的な造り手に注目し、兵庫県の蔵元を中心に、全国より厳選するという。
日本酒は、アロマを閉じ込められるワイングラスで提供。純米酒のように酸化させたくない酒は口径の狭い小ぶりのフルートで、大吟醸のようにフルーティでふくよか、かつ余韻の長いものはスワリングして香りを心ゆくまで楽しめる大ぶりのグラスで楽しもう。
茶菓子と共に楽しむ抹茶
食後に登場する抹茶は自然栽培&無肥料でゆっくり育てられており、ミネラルが豊富に含まれる。
酒と同じく、フィネスを感じる立体的で良質な茶を、季節を感じる果子とともに堪能したい。
メニューはおまかせコースのみ
同店のメニューはおまかせの懐石コースのみで、料金は15,000円(税込)だが、10月までは12,000円で注文できる。
メニューは先付・椀物・刺身・煮物・焼き物に鴨せいろ、甘味と、最後の抹茶・果子で、5種の日本酒ペアリングが付く。