いよいよ最終盤へと突入した2023明治安田生命J2リーグ。白熱する優勝争いに加え、J1への自動昇格圏争い(2位以内)、プレーオフ圏争い(3位~6位)と、上位の熾烈な順位争いに注目が集まる中、それ以上に意地とプライドをかけて行われているのが残留争いだ。
下位2チームがJ3へ降格となるレギュレーションにおいて、現状は21位のツエーゲン金沢と22位の大宮アルディージャが自動降格圏に入ってしまっている。残留圏ぎりぎりの20位レノファ山口と金沢の勝ち点差は9と離れており、残り試合数を考えると前述の2チームがそのまま降格してしまう可能性が高い。しかし、残りの対戦カードや消化試合数を考慮すると20位より上のクラブもまだまだ油断できない状況だ。
ここでは、10月6日現在降格圏にいる2クラブを中心にJ2残留争いの現状を見ていこう。
最下位ながら調子は上向き?
まず、現在最下位に身を置き、J3降格の可能性が最も高い大宮アルディージャ。シーズン序盤は白星と黒星を交互に並べながら勝ち点を積み上げることに成功していた。しかし、第9節のザスパクサツ群馬戦での敗戦を皮切りに、2度の連敗を含む15戦勝ち無しを味わう。7月に一度は持ち直したものの流れに乗り切れず、8月は1勝1分2敗。9月にも連敗があったことで、シーズン最終盤を前にJ3への降格がいよいよ現実味を帯びてきた。
大宮は今夏、チームの立て直しを図るべく積極的に補強に動いていた。FWシュヴィルツォクをはじめ、Jリーグで実績のある即戦力を獲得し、残留という目標を達成するには十分な戦力を整えたと言えよう。しかし、夏の移籍を経ても9月中旬までは成果がすぐに出ることはなかった。ところが、ここにきてわずかながら希望の光が見えている。9月24日の第36節では徳島ヴォルティスに1-0で勝利、30日の第37節では大分トリニータに1-0と連勝。特に大分はシーズンダブルとなる勝利で明らかに調子が上向きつつある。しかし、まだまだ残留への道のりは遠く、残留圏である20位レノファ山口との勝ち点差は9と離れている。さらに輪をかけて残留が厳しく見える要因となるのがここからの対戦カードだ。
残り5試合のうち今季白星を挙げた相手はゼロ。そのうち3つの黒星は3点以上の大量失点を喫したゲームとなっており、ネガティブなイメージを持つ対戦相手が多いことも懸念材料となるだろう。しかし、残留という目的を果たすためには、相手がどんなチームでも勝利以外の結果は許されない。とはいえ、今季の戦績やここまでの流れを見れば、残留圏までの道のりがかなり険しいことも事実。過去にはJ1も長く経験した実績のある大宮がJ3へ降格となってしまうのか。残り5試合、現状2連勝の流れをどこまで継続できるかがカギとなる。