税理士依存、コンサルタント依存が始まる

「他人の意見を素直に聞く」の次の症状が、「税理士依存、コンサルタント依存」です。

業績不振からなのか、自信喪失からなのか、人の意見を素直に聞くようになり、それでも問題が解決されなければ、もう自分の意見なんて信じられなくなっていますから、今度は依存が始まります。そう、何を決めるにも「先生の意見を聞いてから」となるわけです。

「先生の意見を聞いてから」、自分で考えるのであればまだ良いですが、決定そのものを税理士やコンサルタントに求めだすとかなり危険水域です。

そして、さらに末期になると税理士やコンサルタントが悪いと言って、税理士を変更したり、別のコンサルタントに相談したりする。

こういうとき、案外厳しい意見は聞きません。

ある種の現実逃避なのかもしれませんが、例えば財務状況が深刻で、お金がない状態だったとします。こうなったら、例えば役員報酬を減らすとか、コストカットから考えるのが事業再生の基本です。

より深刻なときは、持ち家は売却して安い賃貸アパートに引っ越すとか、高級車を所有しているなら売却して少しでもお金をつくることに奔走する必要があるわけです。

でも、それはしたくない。なんとか自分の生活水準を維持しながら上手くいく一発逆転 の方法がほしい……まあ、「一発逆転」って言い出したら末期なんですけど、要は自分の望むような耳触りのいいアドバイスをしてくれる人を探すようになります。

「自宅はいまのままで、役員報酬もそのままでいけますよ!」みたいな人がほしいわけです。やっぱり一種の現実逃避ですね。

もちろん、耳触りのいい助言だけでは経営は立て直せません。そういう意味では、危険水域のときに、自分の身を切れない社長は窮地に弱いのかもしれませんね。

横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン(株)代表取締役 WORKtheMAGICON行政書士法人代表 特定行政書士 1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ1,700人以上が参加。著書に『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、『士業を極める技術』(日本能率協会マネジメントセンター)、他多数。 会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業 | 横須賀輝尚

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年10月4日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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