黒坂岳央です。
「若いということは素晴らしい」という言葉は本当によく聞く。これは別の角度からみれば、「年を取ってしまうともはや取り返しがつかない」とも言えるのではないだろうか?
筆者は社会的な記号としての年齢に縛られることはあまりがなく、40代・50代以降は失敗を恐れずむしろ若い頃よりドンドン挑戦して失敗しながら上を目指す生き方を奨励したいと思っている。だが、現実的に若い頃にやり残すともはや後から取り返しがつかない要素は確実に存在すると思っている。
個人的な独断と偏見で取り上げたい。

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最初が「人生を大きく変えるような大きな挑戦」である。これは社会的に見て大きいかどうかではなく、あくまで本人が感じる主観的な大きさである。宇宙にロケットを飛ばすような挑戦でなくても、人生でなんの成功体験もない人物が一発奮起して勉強し、志望校に合格する!みたいな挑戦もこれに含まれる。
年をとるとこれが難しくなる。結婚をして子供がいると、お金や時間があっても完全に自由とはいえないし、よしんば独身の場合でもこれまで積み重ねたものがあれば失ってしまうリスクを忌避するからどうしても保守的になる。
若さ故の強さは「何も持っていないこと」がその源泉だ。失うものはなにもない、というと聞こえは悪いが、どれだけでも失敗を受け入れられる状態というだ。つまり、何でもできる。また、起業や結婚といったでかいイベントについては「無知」であることが強力な味方になる。筆者は起業も結婚も子供を持つことも、「まあなんとかなるでしょ。多分」と最後は勢いだった。
人生経験を経て、何かやる前に小利口にあれこれ脳内シミュレーションをしてリスクばかりが目につくようになったなら、それは挑戦者としての選手生命が終わったことを意味する。