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タイプRを中心とした開発
旋回性能以外の走りは秀逸だが、社内競合に悩まされる
タイプRを中心とした開発
こうして2001年に発売された4代目インテグラは、DC5という型式は同じでも2つのバージョンがあり、1つは「タイプR」、もう1つがセクレタリーカーという海外向け通勤用クーペ、あるいはビジネスクーペとしての役割を持つ「is(後に「タイプS」)」。
ただし、先代モデルと違うのは「is」をベースに強化・高性能モデルとして「タイプR」を作ったのではなく、タイプRありきで開発したことです。
その結果、スペックRでこそない160馬力止まり仕様のK20Aエンジンを積むものの、「is」は廉価モデルとしては異例のクオリティを持つ…むしろ廉価版ではない、とされるモデルになりましたが、当然ながらタイプRではない以上、さしたる需要はありません。
やはり本命はタイプRの方で、R-SPECのK20A型2リッターDOHC i-VTECエンジンは220馬力を発揮して、当然のごとくリッター100馬力オーバー。
プレリュード後継を兼ねて大きく重くなった3ナンバーボディや、プラットフォームが共通のシビック同様にフロントがストラット化された足回りには不満があったものの、総合性能では先代3ドアファストバッククーペのDC2型タイプRを上回る…とされたのです。
旋回性能以外の走りは秀逸だが、社内競合に悩まされる
実際、発売直後からDC5型インテグラタイプRは各種モータースポーツへ出撃して華々しい戦績を残し、小型軽量・ショートホイールベースで圧倒的な旋回性能を誇ったDC2インテグラタイプRの完全な代替にならなかったジムカーナ競技を除き、長く使われました。
ただし、当時のホンダは初代シビックタイプR(EK9)後継として、DC5と同じR-SPECのK20A+6速MTを積む2代目シビックタイプR(EP3)や、同じ2リッターDOHC VTECでも250馬力を発揮するF20Cを積んだS2000など、尖ったモデルが3つもありました。
イギリスから輸入するため、部品の価格や供給体制など維持に不安があるEP3や、超高回転型エンジンのFRオープンスポーツで全く性格が異なるS2000という違いはあったものの、同時代に3台も手頃な価格のホンダスポーツがあっては、ユーザーも迷います。
結局、3台とも同じパイを食い合う形で販売は低迷し、根本的に需要が限られるS2000やインテグラタイプRはその代限りで打ち切り決定、後継はまだ実用モデルとしてベースモデルの需要が見込める、4ドアセダンの3代目シビックタイプR(FD2型)となりました。
先代より多少パワフルでも大きく重くなった不人気モデルの宿命として、中古車価格も初代DC2/DB8型より手頃になっており、「手頃な価格で本格FFスポーツクーペに乗りたい」と考えているユーザーには、今なら案外いい選択肢かもしれません。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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