空に浮かぶ光る球体は球電(きゅうでん)と呼ばれ、古来より世界各地で目撃されているが、これは自然現象なのか、それともUFOなのだろうか――。
空に浮かぶ謎の光る球体「球電」
典型的な“UFO”は円盤型のイメージがあるが、ほかにもアダムスキー型や葉巻型、最近では“チクタク型”などもよく報告されている。
こうしたソリッドなUFOのバリエーションの一方で、球電やオーブと形容される空に浮かぶ謎の光る球体の目撃も古くから報告されている。球電はUFOなのか、それともレアな自然現象なのだろうか。
謎の多い球電についてジャーナリストのジャズ・ショー氏がオルタナティブメディア「Mysterious Universe」に寄稿した記事で考察している。

球電と思われる最初の記録は12世紀にまでさかのぼり、1195年にカンタベリーのクライストチャーチ大聖堂修道院の修道士によって球電現象が書き残されている。また1638年にはイギリスのセントパンクラス教会で激しい雷雨の中、球状の稲妻が落ちたことが伝えられている。
球電現象は陸上だけではなく、海上の船舶からも同様の目撃例や被害が報告されている。1726年、フロリダ沖のメキシコ湾岸に航行中の2隻の帆船(キャサリン号とメアリー号)が空からの火の玉に直撃され、マストが千切れたとの報告が記録されており、ある目撃者によれば3人が直撃を受けそのうち1人が死亡したという。
1809年にはHMSウォーレン・ヘースティングズの公開日誌に3つの火の玉が船に衝突し、乗組員2人が死亡したことが記録に残されている。
球電の英語表記は「Ball lightning」であり、直訳すれば「球体の稲妻」ということになり、きわめて稀なことではあるが自然現象の一種であるニュアンスを帯びている。とすれば球電はUFOなどの超常現象ではないのだろうか。
実際に球電についての科学的検証は1940年代から行われているのだが、今のところ球電がどのように起こるのかについての正確なメカニズムは不明である。