AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24のグループI第2節が10月3日に行われ、川崎フロンターレと蔚山現代(韓国)が等々力陸上競技場で対戦した。
後半44分、川崎FのMF橘田健人がペナルティアークの後方からミドルシュートを相手ゴールに突き刺す。これが決勝点となり、ホームの川崎Fが1-0で勝利。ACLグループステージ連勝スタートを切った。
ここでは同試合を振り返るとともに、川崎FのMF脇坂泰斗の試合後コメントを紹介。そのうえで同クラブの勝因を解説する。
相手のゴールキックへの守備が奏功
川崎Fの鬼木達監督は、この試合で[4-1-2-3]の布陣を採用。ホームチームはキックオフ直後からハイプレスを仕掛け、試合の主導権を握ろうとした。
特に洗練されていたのが、基本布陣[4-2-3-1]の蔚山のゴールキックに対する川崎Fの守備。蔚山がGKチョ・ヒョヌを起点にショートパスを繋ごうとするやいなや、川崎FのFWレアンドロ・ダミアンがボール保持者に寄せる。この際にダミアンが左右どちらかのパスコースを塞ぐような走り方でボール保持者に寄せたため、蔚山のパス回しが片方のサイドに追いやられた。
前半7分の蔚山のゴールキックでは、ペナルティエリアでボールを保持したDFキム・ギヒにダミアンが寄せたことで、アウェイチームのパス回しを川崎Fにとっての左サイドへ誘導。これと同時に、タッチライン際でボールを受けようとした蔚山のDFキム・テファン(右サイドバック)を、川崎Fの左ウイングFWマルシーニョが捕捉した。
この場面では川崎Fの2インサイドハーフ、MF瀬古樹と脇坂も相手の2ボランチ(キム・ミンヒョクとイ・ギュソンの両MF)を捕捉できており、これによりセンターバックのキム・ギヒは賭けに近い縦パスを繰り出す羽目に。川崎Fは狙い通りこのボールを回収した。
前半10分の蔚山のゴールキックでも、川崎FはセンターFWのダミアンを起点にハイプレスを敢行。同じく蔚山のパス回しを右サイドバックのキム・テファンのほうへ追い込み、敵陣でボールを奪うと、この直後の速攻からダミアンが惜しいシュートを放っている。相手の自陣からのパス回しを妨害し続けた川崎Fが、試合序盤にして勢いづいた。