Wi-Fiルーターは意外と壊れないので、10年以上前の古い製品をずっと使い続けている人も多いでしょう。しかし、古いWi-Fiルーターは暗号化技術や設定画面、ファームウェアなどが脆弱なので、何者かにハッキングされてしまう恐れがあります。そこで今回は、古いWi-Fiルーターがなぜ危険なのか? どのような対策を取ればいいのか解説しましょう。
古いWi-Fiルーターはセキュリティが脆弱で危険!
アナタの自宅にあるWi-Fiルーターは何年前に買ったものですか? Wi-Fiルーターは簡単に壊れないので、20年くらい前のものを使い続けている人もいるかもしれません。
しかし、古いWi-Fiルーターはセキュリティが弱く、外部からハッキングされる危険性が高いのです。
実は、2023年3月28日に警視庁からも「家庭用ルーターの不正利用に関する注意喚起」が発表されおり、「家庭用ルーターがサイバー攻撃に悪用され、従来の対策のみでは対応できないことが判明した」として注意喚起を行っています。
また、アイ・オー・データ機器、NECプラットフォームズ、エレコム、バッファローの国内大手Wi-Fiルーターメーカー4社が加盟する業界団体「デジタルライフ推進協会(DLPA)」も、警視庁の注意喚起に賛同すると表明しています。
というわけで、このあと実際に古いWi-Fiルーターがどのように危険なのか、どのような対策を取ればいいのかじっくりと解説します。
古いWi-Fiルーターではサイバー攻撃に対処できない!
そもそもWi-Fiルーターは、外部のハッカーに侵入されないために、セキュリティ対策が取られています。
また、設定画面のログインIDやパスワードを設定できますし、Wi-Fiで通信した内容を解読できないように暗号化機能も備えています。
しかし、古いWi-Fiルーターの場合は、そのいずれもが不十分で簡単にハッキングされてしまう恐れがあります。
【1】設定画面のログインIDやパスワードが単純なものになっている!
古いWi-Fiルーターでは設定画面のログインIDが「admin」で、パスワードも「password」といった単純なものになっているため、簡単にハッキングされる恐れがあります。
【2】Wi-Fiの暗号化技術が脆弱なものしか使えない
Wi-Fi電波の暗号化技術も、初期規格の「WEP」では半角英数字5文字しかありません。すでにWEP解析ツールも広く出回っているので、一般的なパソコンでも数分で解読されてしまいます。
その後、WPA、WPA2とより複雑なものに進化していきますが、こちらも脆弱性が見つかっています。最新版は2018年に登場した「WPA3」で、こちらはかなり強力なものになっています。
【3】脆弱なファームウェアが更新されていない
さらに、ハッカーは古いWi-Fiルーターのセキュリティーの脆弱性を見つけて侵入する可能性があり、Wi-Fiルーター本体の基本プログラムである「ファームウェア」を最新版に更新していない場合も、非常に危険な状態にあると言えます。