【最新モデル試乗】ルノーらしさ全開。ルーテシアE-TECHハイブリッドにスポーティなエンジニアード誕生
(画像=ルノー・ルーテシアE-TECHエンジニアード 価格/マルチモードAT 379万円。エンジニアードのWLTCモード燃費は輸入車トップの25.2km/リッター。ボディは取り回し性に優れた全長×全幅×全高4075×1725×1470mm。1310kgの車重はアルカナE-TECH比160kg軽い、『CAR and DRIVER』より引用)

なかなかお洒落。シック&スポーティな新グレード登場

ルノーがE-TECHハイブリッドのために用意する新グレード、「エンジニアード」が、アルカナに続いてルーテシアにも設定された。エンジニアードは、既存のE-TECHモデルに対する上級車種というポジショニングになる。

仕立てはアルカナと同様だ。エクステリアではフロントバンパーにウォームチタニウムカラーのF1ブレードが追加されるとともに、サイドプロテクションモール、専用17インチアルミホイールを装着。リアバンパーにもウォームチタニウムの差し色が入り、フロントグリル、エンブレム、サイドプロテクターはブラックになる。
インテリアは、ウォームチタニウムのステッチが入った本革巻きステアリングや専用シート、ドアトリムに加えて、エアコンルーバーにもウォームチタニウムのインサートが入る。インパネやドアトリムの一部はカーボン調パネルになり、アルミペダル、専用キッキングプレートを装備する。

【最新モデル試乗】ルノーらしさ全開。ルーテシアE-TECHハイブリッドにスポーティなエンジニアード誕生
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】ルノーらしさ全開。ルーテシアE-TECHハイブリッドにスポーティなエンジニアード誕生
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

ボディカラーは落ち着いた印象のグレーとブラックの2色。レッドやブルーといった原色をまとったルーテシアを多く見てきた経緯もあって、別のボディと錯覚してしまうほどシックな出で立ちだ。

内外装を見て、昔からフランス車に注目してきたボクの頭に浮かんだのは、1980年代の後半、ルーテシアの前身、5(サンク)に用意されたバカラだった。バカラはエレガントさに気を配ったモデル。仕立ての内容は異なるものの、上質で品のいい空間が共通している。

ダイレクトな加速が心地いい。燃費と走りの好バランスに感動

エンジニアードのE-TECHメカニズムはいままでどおり。1.6リッター直4エンジンに2基のモーターを組み合わせ、エンジン側にはドッグクラッチを用いた4速、メインモーターには2速のトランスミッションを用い、合わせて12通りの走行モードを持つ。エンジンスペックが91ps/144Nmと、アルカナやキャプチャーの94ps/149Nmより抑えられている点も、これまでと同じだ。

【最新モデル試乗】ルノーらしさ全開。ルーテシアE-TECHハイブリッドにスポーティなエンジニアード誕生
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】ルノーらしさ全開。ルーテシアE-TECHハイブリッドにスポーティなエンジニアード誕生
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

試乗はアルカナからの乗り換えだったこともあり、160kg軽いボディを生かした加速はダイレクト感にあふれていた。一方でエンジン音やロードノイズの遮断はアルカナほどではなく、車格の違いを教えられた。ただしエンジニアードにはBOSEのサウンドシステムが標準装備される。オーディオを楽しんでいるうちにノイズが気にならなくなったことも事実だ。

足回りの印象は素晴らしい。乗り心地は速度を上げるにつれてフラットでしっとりしたフィーリングになり、フットワークはルーテシアの持ち味である自然な身のこなしに、駆動用バッテリーをリアに積んだことによる重心の低さや前後重量配分の適正化が加わって、安定感が増していた。

かつての5バカラのエンジンは、他の多くのグレードが積んでいた1.4リッターではなく、新世代の1.7リッターだった。その結果、走りも上質に仕立てていたことを思い出す。余裕のあるE-TECHハイブリッドを得たエンジニアードは、その点でも5バカラの再来のように感じられた。