日経は「日本郵政、不動産に大型投資 全国20カ所超で再開発」と報じています。典型的な箱もの投資ですが私は評価しています。日本がバブル崩壊以降、30年以上も箱もの投資に二の足を踏んでいた間、森ビルや三井、三菱系、更には渋谷再開発の東急系などごく一部の企業による再開発にとどまっていました。が、東京や大阪、名古屋をはじめ日本は都市に人口が集中しており、都市開発は地方を含め常に新陳代謝を繰り返す必要がありましたが、それが30年以上、足りていなかった時代を経ています。福岡、札幌、仙台の今後の成長のポテンシャルは相当あるとみています。つまり、30年間放置してボロくなっていたのです。星野リゾートが躍進出来た背景とはボロで昔の経営体質を変える取り組みが出来ない旅館業に喝を入れたからこそ、着目されたのです。

今、銀行株が大復活を遂げようとしています。金利が上がれば銀行利益は嫌がおうでも増えます。銀行が儲かるということは貸し出しに積極的になるということなのです。今まで低金利⇒銀行儲からず⇒貸出に慎重⇒日本経済の活性化にブレーキというシナリオに日銀も政府も見て見ぬを振りだったのです。

投資が増え、新規事業が増えれば当然人がいります。新規採用は人口減の中、当然、奪い合い、ついては自動的に給与は上がるサイクルに入るのです。この極めて大きな経済のサイクルがようやく動き始めそうな気配になってきたのです。それもこれも今、我々が経験している我慢が限界を超えた値上げこそがその殻を破ったとも言えます。

かつてのアメリカは日本が邪魔者でした。なぜなら高性能なものを安く作れたからです。今、私が見るアメリカの日本への期待は「中国に負けない技術力と開発力で欧米先進国に出来ないものを日本が分業体制の一環として作り上げてくれ」だとみています。その期待に応えるためにも日本は目を覚まし、起き上がり、立ち向かうチャレンジをする時がきたと考えています。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年9月29日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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